研究課題
海外調査は、マレーシア国サバ州ロンミオにおいて2016年4月~2019年4月まで3年間、台湾南投県和社と渓頭において、2017年11月~2020年11月までの3年間採集を行った。現地調査にあたっては、それぞれ、マレーシアサバ大学Lourdes博士、国立台湾大学Li Chun-lin博士、Wu Li-Wei博士と共同研究を行った。とくにCOVID-19の流行が始まった2020年1月以降は、日本人メンバーは現地に渡航できなかったため、現地調査は完全にカウンターーパートに依頼した。方法は、エタノールを誘引剤としたトラップによる採集と、材から割材により採集する方法を用いた。後者について、マレーシアでは現地の森林所有者が燃料用、開拓、集材のために伐採した樹木を購入したが、台湾ではあらかじめ系統的にばらつきを持たせた14目からそれぞれ1種を決めて、2ヶ月間隔で元経8cmの太枝をベイトとして設置した。採集されたキクイムシ類は形態種にソーティングした後、元チェンマイ大学教授のRoger Beaver博士に送付して同定を依頼した。マレーシアでは割材からはキクイムシ亜科103種(未同定58個体)ナガキクイムシ亜科95種(未同定114個体)、エタノールトラップでは113種(未同定形態種数39)のキクイムシ類が採集された。同様の方法で調査した、日本の秩父・北海道、タイに比較して、マレーシアでははるかに多様なファウナが確認された。タイや日本ではエタノールトラップのデータに明瞭な季節性が認められ、毎年類似した群集構造が認められたのに対し、マレーシアの群集構造は季節性が明鏡ではなかった。は次世代シーケンサーを用いたミトコンドリアDNAの全解析が軌道に乗り、約80種の解析を行い、現在、学会誌の投稿のための原稿を準備中である。
令和元年度が最終年度であるため、記入しない。
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すべて 国際共同研究 (6件) 雑誌論文 (6件) (うち国際共著 6件、 査読あり 6件、 オープンアクセス 2件)
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