慢性シャーガス病の合併症早期予測因子の探索 －ボリビアコホート研究

2018 年度 実績報告書

• 研究課題/領域番号: 16H02770
• 研究機関: 長崎大学
• 研究代表者: 平山 謙二 長崎大学, 熱帯医学研究所, 教授 (60189868)
• 研究分担者: 金子 聰 長崎大学, 熱帯医学研究所, 教授 (00342907) ; 江口 晋 長崎大学, 医歯薬学総合研究科(医学系), 教授 (80404218)
• 研究期間 (年度): 2016-04-01 – 2021-03-31
• キーワード: 慢性感染症 / シャーガス病 / ボリビア / 拡張型心筋症 / 巨大結腸症 / バイオマーカー

研究実績の概要

平成28年度に始まった本研究は、3年目に入り、2年時に大学の新入学者の血清検査を行い、ほぼ予想通りの陽性者を得たため、本年度のうちに、候補者の選定と倫理審査の承認を得る予定であった。しかし、倫理審査及び臨床審査の施設及び保険などの準備が予想よりも遅れたため、3月に入って初めて最初の候補者のリクルートが開始された。現地及び日本での倫理審査委員会での審査で問題になったのは治療計画との連携の必要性であるが、治療については別のプロジェクトとして今後検討することで了承を得ることができた。確定した研究計画に基づき以下のような結果を得た。

平成29年度入学の学生のうち陽性者約300名の中から200名と100名の陰性対象の候補者をリストアップしたが、準備が遅れたため、年度末ぎりぎりに臨床検査から始めることとなった。さらに採血や臨床検査のプロトコールに従って、必要な機材と施設、人材、について現地と協議し、冷凍庫、X線検査施設の見積もりと購入計画について決定した。

現在までの達成度 (区分)

2: おおむね順調に進展している

理由

最大の懸案であった現地の倫理審査委員が大学の協力で短期間のうちに設立され、本研究課題の審査が終了し承認を得ることができた。（熱研2018年3月18日(No. 171207187)and UAGRM, November 23,2018 (No.C.E.I.F.001/2018)また、大学側の負担で研究施設の整備と人材の確保が順調に進み、次年度の慢性シャーガス病の合併症早期予測因子の探求の研究が支障なく進むことが確認された。

今後の研究の推進方策

倫理審査承認後速やかにインフォームドコンセントの取得を行い、慢性シャーガスに特有な合併症の早期の発現を発見するための研究を開始できたので、合併症の頻度を決定するために必要な患者数に達するまでさらに研究を進める予定である。また、早期合併症のバイオメーカーを探索するための血液サンプルを保存し、最終年に向けて解析を行う準備が出来つつある。

研究成果

• [学会発表] Followup study during and after two month regimen of benznidazole in pediatric chronic Chagas patients in Bollibia (2018)
  • 著者名/発表者名: Clara Vasquez Velasquez, Graciela Russomando, Emilio Espinola, Zunilda Sanchez, Kota Mochizuki, Yelin Roca, Jimmy Revollo, Angelica Huzman, Benjamin Quiroga, Susana Rios Morgan, Juan Eiki Nishizwa, Mihoko Kikuchi, Shusaku Mizukami, Kesara Na-Bangchang, Tien Huy Nguyen, Kenji Hirayama.
  • 学会等名: ICOPA 2018, 14th International Congress of Parasitology
  • 国際学会