研究課題
有向および無向グラフにおいて,深さ優先探索 (DFS) 木をコンパクトに表現するデータ構造を与えた.グラフの頂点数を n, 枝数を m とすると,DFSに関連する様々な問合せは O(n lg n) ビットの追加領域を用いれば容易に定数時間で答えることができるが,それより少ない領域で問合せが可能かどうかは分かっていなかった.計算のモデルは次の2つが考えられる:索引 (indexing) と符号化 (encoding) モデルである.索引モデルでは,疎なグラフに対しては O(n) ビット,それ以外のグラフでは O(n log(m/n)) ビットのデータ構造を与えた.符号化モデルにおいては,必要な領域の下限を与え,それに一致するサイズのデータ構造を与えた.また,自然数 n を和が n になる複数の自然数に分割する仕方を表現するデータ構造を与えた.サイズは O(\sqrt{n}) であり,下限の定数倍である.また,分割の i 番目の値や,先頭から i 個の和を定数時間で求められる.さらに,d >= 3 次元の点集合に対して直交領域探索を行うデータ構造を与えた.1つ目のデータ構造は dn log n + o(n log n) ビットで,問合せ領域内の点の数を O(n^{(d-2/d)} log n/log log n) 時間で求められる.2つ目のデータ構造は dn log n - n log n + o(n log n) ビットで下限に一致するが,問合せの時間は遅い.
2: おおむね順調に進展している
簡潔データ構造を様々な問題に応用できている.
今後はセキュリティ分野への応用を考える.データを情報理論的下限まで圧縮し,それと同じサイズで暗号化し,さらに暗号化したまま検索等の処理を行えるようなデータ構造を開発する.
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すべて 国際共同研究 (1件) 雑誌論文 (4件) (うち査読あり 4件、 オープンアクセス 2件)
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