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令和１年度に得られた研究成果は以下の通りである． (1) ピア集合が動的に変化する環境における転送回数の保証されたビデオストリーミング手法を開発した．この結果は，与えられたピア数に関して最小ホップ数で配信を完了する最適手法と比べて高々１ホップ余分に要するものであり，前年度の結果を動的な環境に拡張したものになっている．(2) フラッシュクラウドに関する前年度の結果を発展させ，アクセスの集中がある程度緩和した時点で通常の配信方法にシームレスに切り替えを行う手法を開発した．シミュレーションによる評価の結果，数パケット程度の配信の途切れが観察されるものの，配信ツリーの切り替え自体は正しく行えることが確認された． (3) P2P型のビデオストリーム配信を行うテストベッドとしてAndroidタブレットのみからなる配信システムを構築し，電波が直接届かない遠距離において，高画質の動画がP2P配信によって正しく視聴できることを確認した．このシステムではWi-Fi Directを無線通信技術として用いており，通常のシングルホップ通信をマルチホップ通信に拡張した上で，AODVと呼ばれるアドホックネットワーク向けのプロトコルで経路探索を行なっている．またこのシステムでは，実環境で問題となる隣接端末間のリンク切れの問題に対処するため，与えられたネットワークのサイズ２の連結支配集合を分散的に求め，その上でAODVルーティングを行うという手法がとられている．
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