研究課題/領域番号 |
16H02817
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研究機関 | 国立情報学研究所 |
研究代表者 |
計 宇生 国立情報学研究所, アーキテクチャ科学研究系, 教授 (80225333)
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研究分担者 |
村瀬 勉 名古屋大学, 情報基盤センター, 教授 (10530941)
策力 木格 電気通信大学, 大学院情報理工学研究科, 准教授 (90596230)
劉 志 静岡大学, 工学部, 助教 (90750240)
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研究期間 (年度) |
2016-04-01 – 2019-03-31
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キーワード | 無線アクセスネットワーク / コンテクスト / リソース制御 / モバイルエッジコンピューティング |
研究実績の概要 |
無線アクセスネットワークの高密度化を実現するための研究取組として、異なる大きさのセルが混在した異種無線アクセスネットワークにおけるリソース制御メカニズムについて検討した。まず、ユーザによるセルの選択を可能にするため、ゲーム理論に基づくプライシング方式について検討した。ネットワーク側とユーザ側のインタラクションをゲーム理論を用いて数式化し、その均衡解を求めることで、周波数資源の有効利用と共にユーザ要求を満足できるメカニズムを提案した。また、基地局などのネットワークノードに限定的なコンピューティング機能を持たせることで、ユーザタスクのオフロードを可能にするモバイルエッジコンピューティングのためのリソース管理方式について検討し、システムにおける電力消費の最小化を図った、マルチユーザが存在する場合のリソース割り当て方式を提案した。 日々増大していくデバイスの数と発生データ量の巨大化に対応する方法として、異種無線デバイスを階層的に接続させることにより、ネットワーク全体のスループット向上、レスポンス時間の短縮を実現した。具体的な例として、LTE、IEEE802.11pの2種類の通信技術が混在する車両ネットワークにおける効率的なエッジコンピューティング手法を提案した。提案手法では、ファジイ論理を用いて、車両をクラスタリングし、強化学習を用いてエッジノートを選択する方式を採用している。ネットワークシミュレーションを用いて提案手法の優位性を示した。また、デバイスの位置および空き回線容量に応じて、ノードから基地局への直接接続と、ゲートウエイを介した階層的なデバイス間接続方式の比較を行い、コンテクストに応じた形態が最も良い効果を示すことを確認した。さらに、デバイスからのメッセージをクラスタヘッドに集約する方法を検討し、オーバヘッドの少ないクラスタリング方式を提案した。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
当初計画通り、無線アクセスネットワークの高密度化のための統合的リソース管理手法とネットワークに接続するデバイス間の階層的な接続方式について検討し、それぞれ期待した研究成果を得ることができた。
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今後の研究の推進方策 |
これまでの研究結果を踏まえ、本研究課題の今後の推進方策として、モバイルエッジコンピューティングのための資源管理と、IoTのためのMachine-to-Machine(M2M)通信を有効に実現するための接続方式の検討課題が明確になってきた。平成30年度では、これらを中心に検討を進め、研究目的の達成に向けて推進していく予定である。
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