研究課題
本研究ではプログラム中の潜在的に性能への悪影響が大きいアンチパターンを特定し、さらにはそれを改善する「性能最適化作業」の知能化を目指している。平成29年度までの検討から、機械学習技術を用いることによって演算カーネルの実装選択や、反復解法アルゴリズムの前処理選択、コンパイラオプション選択等、性能最適化作業において熟練者が経験的に行ってきた判断の一部を機械学習によって代替できる可能性を示した。平成30年度には、SpMVカーネルの実装選択を機械学習で実現する方法について詳細に検討・評価し、学術論文としてまとめた。また、多くの機械学習では多数のハイパーパラメータを学習の前に経験的に決めなければならないことから、その自動チューニングにも取り組み、成果をまとめた論文が最優秀論文賞を受賞した。平成29年度に得られた知見を基に、平成30年度にはディープラーニングを活用した反復解法アルゴリズムの前処理選択方式の自動チューニング方式を改良し、多種の疎行列事例に対して性能評価を行った。その結果、実用に耐えうる精度で最適な前処理方式が選択できることを明らかにした。その成果は当該分野の国際ワークショップにて最優秀論文賞を受賞するなど、有用性が高く評価された。静的解析ツールSTViewによる乱流シミュレーションコードを解析した結果を用いて、性能評価すべきコード部分、特にファイル入出力部分の抽出が容易に行え、計算システムの性能評価に用いることができた。また、その評価を通じてSTViewに関する今後の課題が明らかとなった.性能化最適手法の体系化に関しては、メモリやL2キャッシュのビジー時間に注目し、アプリケーションタイプごとのビジー時間の傾向を整理した。これまでの体系化の結果を英語の本としてまとめ、現在出版作業中であり2019年に出版されることが決まっている。
平成30年度が最終年度であるため、記入しない。
すべて 2019 2018
すべて 雑誌論文 (9件) (うち国際共著 1件、 査読あり 9件、 オープンアクセス 1件) 学会発表 (12件) (うち国際学会 6件、 招待講演 6件) 図書 (1件)
2019 IEEE Symposium in Low-Power and High-Speed Chips (COOL CHIPS)
巻: - ページ: 1--3
Supercomputing Frontiers and Innovations
巻: - ページ: -
10.14529/js190106
IEICE Transactions on Information and Systems
巻: E101-D(9) ページ: 2307-2314
10.1587/transinf.2017EDP7176
The Sixth International Symposium on Computing and Networking (CANDAR)
巻: - ページ: 76-84
10.1109/CANDAR.2018.00017
IEEE International Conference on Cluster Computing (CLUSTER2018)
巻: - ページ: 512-523
10.1109/CLUSTER.2018.00067
2018 IEEE International Parallel & Distributed Processing Symposium Workshops
巻: - ページ: 1049-1055
10.1109/IPDPSW.2018.00163
The Sixth International Symposium on Computing and Networking Workshops (CANDARW)
巻: - ページ: 257-262
10.1109/CANDARW.2018.00055
IEEE Big Data 2018 Workshop, The Second International Workshop on Automation in Machine Learning and Big Data (AutoML 2018)
巻: - ページ: 4967-4973
10.1109/BigData.2018.8622384
International Conference for High Performance Computing, Networking, Storage and Analysis (SC ’18)
巻: - ページ: 685-696
10.1109/SC.2018.00057