研究課題/領域番号 |
16H02824
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研究機関 | 東京農工大学 |
研究代表者 |
斎藤 隆文 東京農工大学, 工学(系)研究科(研究院), 教授 (60293007)
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研究分担者 |
吉田 典正 日本大学, 生産工学部, 教授 (70277846)
原田 利宣 和歌山大学, システム工学部, 教授 (80294304)
今間 俊博 首都大学東京, システムデザイン研究科, 教授 (40327143)
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研究期間 (年度) |
2016-04-01 – 2020-03-31
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キーワード | 形状処理 / コンピュータグラフィクス |
研究実績の概要 |
本研究は,曲線・曲面の持つ様々な幾何的特徴量に着目し,各々の曲線・曲面のクラスが表現しうる特徴空間や,特徴量間の相互関係を総括的に解析することにより,位置制御と美的制御を両立した新しい曲線・曲面生成方法を構築するものである.それより,CGや意匠デザインの効率化や品質向上と,美的曲線・曲面形状理論の新体系構築を目指している. 本年度は主に,各種曲線・曲面の特徴量間の相互関係の定式化と美的表現能力の解明を進めた.特に,自由度の大きい新型美的曲線の開拓を進め,位置制御と美的制御とを両立する枠組みの一つを構築した.以下に成果を示す. 1.各種曲線の特徴量間の相互関係の定式化と美的表現能力の解明: B-spline曲線の制御点間隔と曲率変化とを勘案し,デザイナの感覚に沿った曲線再構築手法を提案した.また,曲線の次数や制御点配置と幾何学的特徴量との関連性を,デザイナにわかりやすく解説する方法ついて,検討を行った. 2.自由度の大きい新型美的曲線の開拓: 位置制御と曲率制御とを両立できる新しい曲線群として,方向角パラメータ(TAP)曲線および弧長パラメータ(ALP)曲線を提案している.本年度は,曲線のバリエーションを増やすとともに,複数セグメントの接続など様々な制御方法を開拓した.また,曲面への拡張について検討を開始した. 3.形状と美的な見栄えに関連した種々の研究: 美的な曲線・曲面に関する研究として,深層学習を用いた自動車の車型形状の特徴抽出,などの成果を得た.また,コンピュータグラフィックス,可視化,形状処理,映像制作の種々の問題に関し,美的な見栄えを考慮した研究成果が多数得られた.
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
当初計画のうち,各種曲線の特徴量間の相互関係の定式化と美的表現能力の解明に関しては,一定の成果は出ているものの,組織的な解明には至っていない.一方,自由度の大きい新型美的曲線の開拓に関しては,当初の想定以上に進展しており,今後も研究の発展が期待できる.また,形状と美的な見栄えに関連した各種研究において,多くの成果が出ている.
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今後の研究の推進方策 |
研究の方向性としては,おおむね当初計画に沿った方針で進める.ただし,自由度の大きい新型美的曲線の開拓が想定以上に進んでおり,さらなる発展が見込めることから,これをより重点的に推進する.特に,実用的な対話制御技術の確立と,曲面への拡張の実現を目指す.また,各種応用分野への適用とその評価を進める.
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