研究課題/領域番号 |
16H02852
|
研究機関 | 北海道大学 |
研究代表者 |
坂本 雄児 北海道大学, 情報科学研究科, 教授 (40225826)
|
研究分担者 |
似内 映之 和歌山大学, 産学連携イノベーションセンター, 准教授 (00304189)
筒井 弘 北海道大学, 情報科学研究科, 准教授 (30402803)
山ノ井 高洋 北海学園大学, 工学部, 教授 (90125360)
山口 一弘 諏訪東京理科大学, 経営情報学部, 講師 (90649063)
|
研究期間 (年度) |
2016-04-01 – 2020-03-31
|
キーワード | 臨場感コミュニケーション / 電子ホログラフィ / バーチャルリアリティ / HMD |
研究実績の概要 |
(1)電子ホログラフィHMD装置の開発:平成28年度に開発した電子ホログラフィ原理実証装置の実験結果をもとに,頭部装着が可能な電子ホログラフィHMD装置の設計および開発を行った.完成したシステムのサイズは40(H)×120(W)×108 (D) mm,重量は約300gと,カラーでは現時点,世界最小・最軽量である. (2)ホログラムデータ計算システムの開発:リアルタイムにホログラムデータを計算するには非常に大きな計算処理能力が必要であり,昨年度に引き続き,GPGPUを基本構成とするホログラムデータ計算システムの開発を行った.ハード的システム構成および高速計算アルゴリズムの検討を共に行った.また,高速かつHMDに適した高速計算アルゴリズムを検討し,有望なアルゴリズムを見出した.さらに,前年度より引き続きホログラフィ特有のノイズであるスペックルノイズによる画質劣化の解決のため,計算機による電子ホログラフィデータ計算の検討も含めたシミュレーションシステムを開発し,原因の解明と解決法の検討を引き続きおこなった. (3)脳波測定装置と電子ホログラフィとの同期システムを用い,予備的な脳波測定実験を行った.この結果,電子ホログラフィによって表示された立体像に対しても,視覚誘発電位(Visual Evoked Potentials: VEP)の発生が世界で初めて確認された.確認されたのはTransient VEPとSteady-State VEPの両者であり,電子ホログラフィの表示画像の評価に脳波を用いることができる可能性を示した.
|
現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
交付申請書に記載した研究実施計画のように,電子ホログラフィHMDシステムの開発が順調であり,脳波による評価に関しても基本的な結果が明らかになりつつある.一方,ホログラフィ特有のノイズであるスペックルノイズによる画質劣化に関しては,完全な解決には至っていないため,引き続き解決法の検討を行う.
|
今後の研究の推進方策 |
これまで開発してきた電子ホログラフィHMDや測定装置などをもとに,ホログラフィックVRシステムの開発と,生理学的反応の測定実験を行う. 具体的には,(1) ホログラフィックVRシステムの実現のため,仮想環境とホログラムデータ計算システムを組み合わせを検討する. (2)リアルタイムにホログラムデータを計算するための高速計算アルゴリズム,およびシステムの開発を行う. (3) 脳波測定装置と電子ホログラフィを用い,奥行きや疲労に関する脳波測定実験を本格的に行う.
|