人間=人間接続において、現場で何らかの作業をする利用者と、その利用者に遠隔地から接続し、支援等を行う遠隔者との関係において、現場での利用者が装着すべきセンサーやカメラなどの形状を策定する。装着容易性や利用者の状況を的確に把握できるためのセンサーの配置などが課題となる。また、遠隔操作では頭部搭載ディスプレイ用いる場合が多かったが、装着の煩雑さや、利用者が現実の事物を確認する場合などに問題があった。前年度までに開発を行っていた、人間の頭部に搭載する人間=人間接続システムを改良し、頭部ではなく肩に搭載する形状に変更し、装着者の負担を軽減した。装着する重量が肩に自然に伝わること、行動中の画像ぶれが少ないことが長所となる。さらに、着脱も頭部搭載型と比較して簡便になった。また、着脱が容易であるという性質から、作業現場で同装置を複数人で貸し借りするなども可能となり、より実証的な利用形態が可能となった。また、頭部搭載型ディスプレイを装着することなく遠隔地の状況を観察するためのウェアラブルドーム型ディスプレイの開発を行った。これにより、遠隔地の情報と、利用者の周辺の情報との視野を動的に切り替えることを可能とした。また、人間の存在感をより自然に提示するための球形型ディスプレイへの人物像投影システムの研究開発を行った。利用者の頭部画像を距離画像として取得し、遠隔地の球形ディスプレイに投影することでより自然な存在感を提示することを可能とした。さらに、最終年度として、遠隔地との接続(沖縄=東京、米国国際学科会=東京)などを複数回実施し、画像品質や遅延などの性能を評価し、実際に人間=人間接続型テレプレゼンスの有効性を確認した。
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