研究課題/領域番号 |
16H02858
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研究機関 | 大阪大学 |
研究代表者 |
竹村 治雄 大阪大学, サイバーメディアセンター, 教授 (60263430)
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研究分担者 |
間下 以大 大阪大学, サイバーメディアセンター, 講師 (00467606)
黒田 嘉宏 大阪大学, 基礎工学研究科, 准教授 (30402837)
ラサミー ポチャラ 大阪大学, サイバーメディアセンター, 助教 (50772448)
清川 清 大阪大学, サイバーメディアセンター, 准教授 (60358869)
浦西 友樹 大阪大学, サイバーメディアセンター, 准教授 (00533738)
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研究期間 (年度) |
2016-04-01 – 2019-03-31
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キーワード | 拡張現実 / ヒューマンインタフェース / コンピュータビジョン / シミュレーション |
研究実績の概要 |
28 年度は主に提案システムを構成する基盤技術の開発を行った. 計測班では,持続的な環境と物理特性の計測手法の開発を行った.この研究では,環境に固定された,あるいは環境中を移動する多数のRGBDカメラによる計測を持続的に行う手法を開発している.また,シミュレーションで用いる物理特性の変化を計測するため,高フレームーレートカメラを用いて微小時間での物体の形状の変化等の計測をシミュレーション班と協力して行った.また,光学的特性の計測手法の開発もおこなった.また,移動している物体が存在する動的なシーンの中で複数のRGBDカメラが連携して,シーンや対象の復元を行う計測手法の開発を行った. シミュレーション班では,光学的特性の経年変化シミュレーションモデルの開発を行った.また,光源環境が変化した場合の見えの変化をリアルタイムで計算し,提示する手法を開発した.物質の光学的性質が変化した場合の応用例として,材質が透明な場合の光の振る舞いを実時間で計算し,提示するARシステムを開発した. UI 班では,基本的なUI の実装を行った.AR 用UI に関する過去の一連の成果を統合・拡張し復元物体およびバーチャル物体の移動や変形などの基本操作が可能なUI を開発した.タブレット端末の場合はタッチインタラクションに,RGBD カメラを備えるビデオ透過型HMD の場合は素手のジェスチャインタラクションに対応する.また,シーンの中で部分的にスローモーションで再生するAR用UIの開発を行った.
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
経年変化のシミュレーションや大規模AR環境の管理手法についてはやや遅れている.一方,29年度に予定している時間変化後の環境とのマッチング技術は既に開発を進めており,要素技術の開発は概ね予定通りか,当初の計画以上に進捗している.総合して,おおむね順調に進展していると言える.
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今後の研究の推進方策 |
計測班の研究では,シミュレーションの結果を用いて,環境の形状変化,光学的性質の変化に追従可能なAR環境モデルの開発を行う.光学特性の計測では,高感度カメラを用いて環境を長時間計測し,経年変化や微細な光の変化等を計測し,シミュレーション班で開発されるモデルの実験データとする.その後,物性変化シミュレーションを利用した物体認識,自己位置推定,時間変化のシミュレーションを利用した光学的整合性について研究する. シミュレーション班の研究は計測班と協力し,不連続な計測結果の補間手法の開発を行う.また,光学的・物理的特性の実時間シミュレーション手法の開発を行い,測範囲外(未来・過去)の予測手法の開発を行う.シミュレーション結果と外界の力学環境に基づく,物理特性レンダリングモデルを開発し,前処理により,実時間性を高める手法を開発する. UI 班の研究では,前年度の成果および,計測班・シミュレーション班の成果を活かし,連続する時間軸上を,実際に計測した範囲だけではなく過去や未来も含めて任意の時間粒度で移動できるようにする.また,それぞれの時刻で,任意の時間速度で再生・早送り・逆再生・巻き戻しなどができるUI を構築する. 基幹AR システムに関する研究では,入力となる計測結果をAR 環境へ統合し,ユーザへと出力するシステムの設計,実装を行う.入力に関しては計測班,出力についてはUI 班と連携して行う.その後,各要素技術を統合できるようシステム設計,4DAR 環境の管理編集手法の開発,バージョン管理の実装を行う.
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