研究実績の概要 |
階層型順逆強化学習モデルの開発 自由行動下での動物の探索行動およびヒト意思決定過程を想定して階層型逆強化学習法の開発を進めた。共同研究者から線虫の自由行動下での探索行動データの提供を受け、エネルギーベースの逆強化学習法の適用を進めた。遺伝子改変により感覚細胞の機能欠失を行った個体についての解析も進めた。動的環境での意思決定課題を想定した階層型逆強化学習法の開発を進めた。この手法は、変化点検出法と学習時のエージェントにも適応可能な逆強化学習法との組み合わせになる。簡単な動的環境(部分観測マルコフ決定過程)において強化学習を行っている人工エージェントの行動データに適応した結果、エージェントの報酬関数およびメタパラメータの推定が可能であることが分かった(Uchida, et al., 2017)。
ヒトイメージングからの視覚注意のデコーディング 視覚注意課題を対象に、ヒトの脳波(EEG)および機能的核磁気共鳴図(fMRI)からのデコーディング研究を進めた。ヒト動画観視時のEEGデータの取得を行い、動画に含まれる特徴量(顕著度)とEEGデータとの関連を解析している。また、視覚注意に関わる被験者間転移デコーディング法の開発を進めている。提案手法では、ヒト脳の構造的結合について非剛体変換を行うことで転移を可能とする。さらに、EEGベースの視覚注意の被験者間転移の際に用いる転移行列が被験者の特定(個人認証)に利用可能であるかについて、予備的な実験と解析を行った(Nishimoto, et al., 2017)。
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