研究課題/領域番号 |
16H02880
|
研究機関 | 名城大学 |
研究代表者 |
関山 浩介 名城大学, 理工学部, 教授 (40293675)
|
研究期間 (年度) |
2016-04-01 – 2021-03-31
|
キーワード | 遠隔操作支援 / 認知共有 / 複数ロボット協調 |
研究実績の概要 |
本年度は,スマートグラスかけたユーザが,直感的な指差し動作で双腕移動ロボットに対し対象物を持ってこさせるフェッチタスクを実現した.主な技術開発項目は以下の3つである. (1)片腕にカメラを装着し,別の腕でpick & place動作を視覚フィードバックで行う双腕移動ロボットの把持制御およびそのための最適姿勢制御を実装し,繰り返し自律的pick & placeを安定して実現できるまで改善した.(2)ユーザがスマートグラスから床面対象物を視認し,その対象物を作業ロボットとの認知共有を実現するため,ユーザ視点のカメラ映像からVisual SLAMにより作業環境の地図生成を行い,作業ロボットとのリアルタイム連携を図るアーキテクチャを構築した.スマートグラスでは指差しするユーザのジェスチャ認識を行い,指先が指し示す対象物の共有をSLAMを介したマッピングに合わせ,周辺配置物体のグラフ構造から絞り込む,提案者が構築してきたサブグラフマッチング手法と統合した.これにより,ユーザが任意の床面にある対象物を指し示すことで,ロボットがユーザに届ける一連の動作が可能となった.(3)屋内ドローンに対して,Visual SLAMによる3次元自己位置推定に基づいたホバリング制御を実装した.ドローンのカメラ視点からの映像に対して評価関数を設定し,自律的に適切な撮影視点に移動する基礎的実験に成功した.地上ロボットとドローンの連携を実現するための要素技術が一通り整った. 遠隔操作視覚支援では,人間が操作することが主体とした計画であったが,よりロボットの自律性に重点をおき,ロボットの自律性と遠隔操作支援との接続を可能とする基盤が整備された.
|
現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
研究開発は順調に進んでいたものの,年度末までの論文化のための最終評価実験が遅れ,さらに新型コロナの影響で学生の大学への入構禁止措置が生じて追加実験と論文投稿が停滞している.正常な状態に戻れば速やかに評価実験を行い論文投稿できる状態にある.
|
今後の研究の推進方策 |
双腕移動ロボットとドローン,およびスマートグラスを装備した人間の3者間の関係を機能的に接続する.人は簡単な指差し動作で作業対象物を指定すると,ドローンと人間との認知共有が行われ,ドローンと作業ロボットとの協調作業が自然に進むマルチロボット協調システムを実現する.論文化のための評価実験を早急に進め,学術論文化を急ぐ.
|