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2017 年度 実績報告書

接触快適感の計測評価システムに関する感性工学的研究

研究課題

研究課題/領域番号 16H02888
研究機関信州大学

研究代表者

上條 正義  信州大学, 学術研究院繊維学系, 教授 (70224665)

研究分担者 堀場 洋輔  信州大学, 学術研究院繊維学系, 准教授 (00345761)
吉田 宏昭  信州大学, 学術研究院繊維学系, 准教授 (40456497)
研究期間 (年度) 2016-04-01 – 2019-03-31
キーワード接触快適感 / 触り心地 / 心理生理反応 / 繊維製品評価 / 感性計測評価 / 感性情報 / 感性生理 / 肌触り評価
研究実績の概要

本年度の研究実施計画は、(1)心理生理反応計測による快適感評価と(2)計測評価システムによるふわふわ感評価システムの構築であった。快適感評価では、温熱刺激に対する生理反応と心理反応を計測し、両者に反応の違いがあることを明らかにし、両者それぞれにおける評価が必要であることを明らかにした。繊維素材の違いによる温熱快適感においては疎水性素材と親水性素材によって水分移動特性を持たせることによって快適感が得られることを自律神経活動計測による生理反応と官能検査による心理反応の計測によって明らかにした。ふわふわ感評価システムにおいては、厚みのある繊維製品には、人と接触した際に、人に好印象や快適な刺激を与えるものが多いが、これらの繊維製品の良さを定量的に表現して、積極的に訴求することはこれまで希薄であった。本研究では、ふかふかして気持ちがよいという厚みのある繊維製品の特徴を評価する方法の提案を目的として、ふかふか感が異なると感じる綿タオルを題材にふかふか感を表現できる材料特性計測方法について、圧縮試験で得られる出力からふかふか感を評価できる指標の特定について検討した。試料を連続圧縮することから得られる応力を計測することによって、ふかふか感が評価できる可能性を示せた。圧縮荷重を段階的に変えた測定や同一試料への連続圧縮は、ふかふか感評価のために有効な測定方法と考えられる。今回の結果から圧縮試験による厚い繊維製品の接触快適感評価が行える可能性を得た。

現在までの達成度 (区分)
現在までの達成度 (区分)

2: おおむね順調に進展している

理由

初年度は、(1)実験サンプルの作製、(2)接触快適感計測評価システムの試作研究、本年度は、(3)心理生理反応計測による快適感評価,(4)計測評価システムによるふわふわ感評価システムの構築が実施内容であった。初年度課題であった(1)、(2)ともほぼ計画通りに実施でき、その成果を受けて本年度の(3)、(4)を実施した。(3)では、温熱感評価においては、心理反応と生理反応が異なる反応をすることから両者それぞれから評価する必要性があることを明らかにした。生理反応と心理反応の計測から温熱快適感が疎水性と親水性素材の混紡糸による水分移動特性に富んだ布地によって得られやすいことを明らかにした。(4)では、厚みがあるタオルを題材にして、繰り返し圧縮強度を変えて押し付けた際の反力対比とふかふか感が対応することを明らかにして、ふかふか感を評価するための指標を明らかにした。以上の成果からおおむね順調に進展していると判断した。

今後の研究の推進方策

(1)快適感評価条件の特定
繊維製品を触察して触り心地が評価しやすい環境、触察動作分析する実験を行い、評価条件を特定する。接触する際に発現する印象と物理刺激(表面特性、圧縮特性、温熱特性)との関係を明らかにするために物理刺激を定量的に表現するための評価方法について検討する。
(2)ふかふか感に対応した物理指標を出力するための計測システムの構築
導入した直行マニュピレータに3軸力覚センサと3軸加速度センサを装着した装置を用いて、実験(1)で明らかになった条件を適用して、柔らかさ、ふかふか感、快適感などの評価できるシステムとしての有用性をタオルや肌着、靴下など肌に直接触れる繊維製品を題材に検証する。実験結果から評価指標を特定して、ふかふかに関する接触快適感計測解析システムを提案する。

  • 研究成果

    (8件)

すべて 2018 2017

すべて 雑誌論文 (4件) (うち査読あり 4件、 オープンアクセス 4件) 学会発表 (4件) (うち国際学会 2件)

  • [雑誌論文] 射出成形金型設計のための樹脂表面テクスチャにおける粗さ感と接触状態の関係2017

    • 著者名/発表者名
      相澤 淳平、樫山 剛士、上條 正義
    • 雑誌名

      日本感性工学会論文誌

      巻: 16 ページ: 163~169

    • DOI

      10.5057/jjske.TJSKE-D-16-00068

    • 査読あり / オープンアクセス
  • [雑誌論文] 節水型シャワーヘッドのすすぎやすさに対する心理構造分析2017

    • 著者名/発表者名
      岡本 美南、小松 布美恵、上條 正義
    • 雑誌名

      日本感性工学会論文誌

      巻: 16 ページ: 155~161

    • DOI

      10.5057/jjske.TJSKE-D-16-00056

    • 査読あり / オープンアクセス
  • [雑誌論文] 衣服着用時の意識が歩行動作に与える影響2017

    • 著者名/発表者名
      吉田 宏昭、大皿 知可子、上條 正義
    • 雑誌名

      日本感性工学会論文誌

      巻: 16 ページ: 457~463

    • DOI

      10.5057/jjske.TJSKE-D-17-00072

    • 査読あり / オープンアクセス
  • [雑誌論文] ポリプロピレンと綿を用いた混紡糸による編布の物性に与える混用率の影響2017

    • 著者名/発表者名
      水橋 秀章、上條 正義、吉田 宏昭、久保 昌彦
    • 雑誌名

      Journal of Fiber Science and Technology

      巻: 73 ページ: 75~81

    • DOI

      10.2115/fiberst.2017-0010

    • 査読あり / オープンアクセス
  • [学会発表] Evaluation of Psychological and Physiological Responses under Gradual Change of Thermal Conditions with Aim to Create Index to Evaluate Thermal Comfort of Clothes2018

    • 著者名/発表者名
      Tomohiro Uemae, Mayumi Uemae, Masayoshi Kamijo
    • 学会等名
      7th International Conference on Kansei Engineering and Emotion Research 2018
    • 国際学会
  • [学会発表] 生体反応計測による温熱感評価2018

    • 著者名/発表者名
      小山祐輝,石井悠和,上前真弓,吉田宏昭,上條正義 加藤直樹,渡邉雅志,宮本猛
    • 学会等名
      第13回日本感性工学会春季大会
  • [学会発表] Investigation of factors for evaluating skin-touch comfort sensation of cloth used for cosmetic face masks2017

    • 著者名/発表者名
      Yuki Karasawa, Mayumi Uemae and Masayosi Kamijo
    • 学会等名
      2017 International Conference on Biometrics and Kansei Engineering
    • 国際学会
  • [学会発表] 綿タオルのふかふか感評価方法の検討2017

    • 著者名/発表者名
      上條正義、風間泰規、上前真弓、唐沢悠綺、吉田宏昭
    • 学会等名
      平成 29 年度 繊維学会秋季研究発表会

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公開日: 2018-12-17  

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