研究課題/領域番号 |
16H02899
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研究機関 | 東京医科大学 |
研究代表者 |
下田 貢 東京医科大学, 医学部, 准教授 (90332999)
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研究分担者 |
張山 昌論 東北大学, 情報科学研究科, 教授 (10292260)
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研究期間 (年度) |
2016-04-01 – 2020-03-31
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キーワード | 3D超音波画像 / 肝切除術 / ナビゲーション |
研究実績の概要 |
はじめに:我々は以前より肝区域切除術には術中超音波を用いた門脈穿刺染色法を用いてきたが、術前シミュレーション画像で予測した門脈と術中超音波で同定した門脈とが一致しているかが問題であった。GE社のLOGIQ E9 XDclear 2.0は、磁場発生装置と磁気センサーを用い、三次元位置情報を含む超音波Volume画像データの収集機能を有しており、リアルタイムに超音波連続断層画像を取得し、3D画像処理を可能とした。この装置を用い、3D超音波画像を作成し、術中ナビゲーションとして利用可能であるか検討した。また、この装置に搭載されているシェアウェーブエラストグラムを用いて、術中肝繊維化を評価した。 対象と方法:対象は、2016年4月から2017年10月までに当科で施行した肝切除術症例中、門脈穿刺染色法を施行した症例とした。腫瘍と支配門脈を同定し、切除範囲と考える領域の腫瘍と支配門脈をスキャンする。3D画像を構築し術前シミュレーション画像と比較し、穿刺予定の門脈と一致するかを確認した。シェアウェーブエラストグラムの評価は、体表からの体表法と肝に直接当て測定する直接法を比較検討した。 結果:症例は10例で、疾患の内訳は、HCC7例、転移性肝癌3例であった。術式は、亜区域切除8例(S8:4例、S7:2例、S6:1例、S51例)区域切除2例(前区域切除術:1例、S5-6区域切除1例)であった。全例でリアルタイム3D画像の構築は可能であった。また、3例に、シェアウェーブエラストグラムを施行した。 シミュレーション画像と3D超音波画像を一致させ、ナビゲーションとして活用するためには、更なる改良が必要と考えられた。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
平成28年から29年度はGE社のLOGIQ E9 XDclear 2.0を用いて現状の超音波3D画像の現状と問題点を検証した。
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今後の研究の推進方策 |
今後は磁気センサーを購入し、これまで使用してきた超音波装置に接続し3D画像を構成可能かを判断する予定である。
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