研究成果の概要 |
肝臓手術で従来使用する2D超音波画像が3D画像化可能であるか,開発に取り組んだ.①高精度な磁気センサーからの超音波プローブの位置・姿勢情報と超音波画像からの高精度リアルタイム3次元画像技術の開発.②超音波3次元画像からの高精度な肝臓の血管・腫瘍のリアルタイム自動認識技術の開発を行った.位置・姿勢センサーとして高精度なセンサーである磁気センサー(電磁界式 計測システムAURORA)を用い,超音波プローブに磁気センサーを組み込み,まず,体表から肝臓の超音波画像を毎秒30枚程度の間隔で取得し3D画像を構築した.磁気センサーを用いることで,超音波3D画像の作製は可能と考えられた.
|
研究成果の学術的意義や社会的意義 |
手術中は,術者は,肝臓の超音波画像と,3次元コンピュータグラフィックによる術前プランニング画像を見比べながら血管・腫瘍・切断領域の同定を行っている.この超音波画像が2次元であることや,肝臓の形状や向きが手術中に変わることなどから,術前シミュレーション結果と対応付けるのが容易ではないため,術者に高いスキルが要求され,さらに,術前シミュレーションソフトウェアを導入しても,手術時間がほとんど短縮されない要因となっている.今回の研究により超音波3D画像の構築が可能となる事が示され、術前3D CT画像との整合性がより明確となり、今後、最適な手術を行うことが可能となる事が示された.
|