現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
近位・遠位より転写に影響を与える転写制御領域 (プロモータ・エンハンサー) について、これら近傍における転写活性の数理的構造を抽出する上で、まずは転 写開始活性に関するデータ(CAGE)と共に転写に影響を与えうるデータの整備を実施した。最新のゲノムリファレンス上で転写開始活性データ利用を可能とするた め、転写開始活性データの再処理を実施した (https://doi.org/10.5281/zenodo.545682)。さらに、転写開始活性データやエピジェネティックデータといった、 ゲノム機能に関するデータを体系的に統合するための技術開発を実施し (https://doi.org/10.1101/314807)、これを用いて過去に産出されたヒトにおける転写開 始活性データとエピジェネティックデータの統合を実施した (Lizio M et al., Nucleic Acids Res, 47:D752-D758, 2019)。また、ATAC-seqを用いてDNAとヒスト ンの複合体であるヌクレオソームが形成される位置を測定することで、公共エピジェネティックデータの補完を試みた。これらを元に、転写活性の数理的構造の 基礎検討を進める中で、これまでの転写開始活性測定においては転写後制御による影響成分が不可分である点が指摘された。そこで、新生RNAを対象に転写開始活性測定を適用することで、転写後制御による影響を受けない転写開始活性測定法を開発し、これが従来法よりも優れた感度を示すことを示した (Hirabayashi et a. Nat Genet 2019).
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