研究課題
本研究は,Step1:災害時の情報流通モデルの構築,Step2:インターネット壊滅時の代替ネットワーク構築,Step3:災害情報流通支援システムの構築,Step4:災害情報流通支援システムの評価にて構成される.初年度にStep1及びStep2を行い,開発する災害情報支援システムの要件と仕様を決定した.2年目以降は決定した用件と仕様にあわせて,Step3で災害情報支援システムを開発し,Step4でその評価をマルチエージェントシミュレーション及び実証実験により検証する.実証実験は,東京都三鷹市および奈良県生駒市をフィールドとして実施し,その結果をStep3にフィードバックすることにより,災害情報支援システムの改善を行う.本年度は,Step3およびStep4について取り組んだ.Step3では,Step1,Step2の知見に基づいて,避難誘導システムについて検討した.地震などの突発的災害発生時において,避難所への速やかな避難は重要な防災・減災対策の1つである.しかし,単に最寄りの避難所に誘導するだけでは避難所の収容数の超過を招き,別の避難所への移動を余儀なくされる.そこで,被災時における被災者の位置情報と各避難所の収容可能数に基づいて,被災者全体の避難時間が短くなるように避難所を決定する手法を開発した.Step4として,提案手法の有効性を評価するために,京都の祇園祭を想定したシミュレーション環境を構築し,一般的な避難所決定手法である最短経路選択およびランダム選択を適用した場合と提案手法を適用した場合の避難時間を比較した.その結果,提案手法を用いた場合に,最短経路選択と比較して平均避難時間を35.9%削減できることを明らかにした.また,IoT機器を含めた分散処理システムについて検討した.
平成30年度が最終年度であるため、記入しない。
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情報処理学会論文誌
巻: Vol. 60,No. 2 ページ: pp. 608-616
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電子情報通信学会論文誌B
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