研究課題/領域番号 |
16H02921
|
研究機関 | 広島大学 |
研究代表者 |
山本 透 広島大学, 工学研究科, 教授 (10200825)
|
研究分担者 |
福光 昌由 (中本昌由) 広島大学, 工学研究科, 助教 (00403585)
林田 智弘 広島大学, 工学研究科, 准教授 (20432685)
大野 修一 広島大学, 工学研究科, 准教授 (70273919)
西崎 一郎 広島大学, 工学研究科, 教授 (80231504)
|
研究期間 (年度) |
2016-04-01 – 2020-03-31
|
キーワード | 学習支援システム / データ駆動型アプローチ / 機械学習 / 個別学習 / e-learning |
研究実績の概要 |
本研究は、昨年までに引き続き、「学習支援機構の構築」と「学習支援システムのスマート化」の2つに分けて研究を進めた。前者については,昨年度までに考察した学習者モデルに対して,適応的な学習支援を可能とする学習支援システムについて考察した。このとき,制御工学的アプローチに基づき,制御対象を学習者とし,制御器を教育者と考える。学習者モデルに関しては,学習者に相応しくない目標値(たとえば,難易度の高い目標学習到達度など)が設定された場合,学習意欲が低下することを想定する。言い換えれば,非線形性を有するシステムを制御対象とする。非線形系に対する制御系設計としては,システムの特性を正確に知ることは困難であるため,データ駆動型制御法の考えに基づき,システムパラメータT,K を必要としない学習支援システムを構築し,数値シミュレーションによって,その有効性を検証した。 一方,学習者の到達度に基づいて,講義終了時,すなわち将来的な学習者の到達度を予測することができれば,講義終了時に到達度が低くなると予測される学生を抽出でき,早期に対応することができると考えられる.そこで,後者については,学習支援システムのスマート化に向け,ニューラルネットワークを用いた学習者の到達度を予測するシステムの構築に無手家研究を進めた。具体的には,個々の学習者に対応した学習支援を提供するためのシステム構築を目的として,ニューラルネットワークを用いた学習者到達度予測システムを構築した。さらに,ニューラルネットワークを用いた学習者分類手法の妥当性を検証するために,学習者モデルを用いて生成されたデータを用いてニューラルネットワークを学習し,学習に用いていないデータを用いてデータ分類を行う数値シミュレーションを実施した。
|
現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
本研究については,この3年間において,、「学習支援機構の構築」と「学習支援システムのスマート化」の2つに分けて研究を進めてきた。いずれも,当初の計画に沿った形で進められており,また,それぞれの考察は,数値例によってその妥当性が検証されている。最終年度に,個々に考察したシステムを統合することで,「適応型スマート学習支援システム」を構築するが,その準備状況も極めて良好である。
|
今後の研究の推進方策 |
本研究は,この3年間で考察を重ねてきた「学習支援機構の構築」と「学習支援システムのスマート化」を統合し,『適応型スマート学習支援システム』を構築する。本年度は本研究の集大成となるが,本年度10月までを目途に,このシステムの構築を完成させる。統合の際には,初期データベース構築のためのデータ取得が必要となるため,これを特に,林田が行う。また一方で,学習用コンテンツも必要となり,これについては同時に並行して,中本,大野が担当する。さらに,web配信が可能となる形式に変換する。その際,セキュリティ面での対策についても考察を重ねる。これらの準備が整った上で,11月以降に予定されているMBD基礎研修において,本システムを導入し,その有効性を検証する。また,明らかとなった課題に基づいて,可能な範囲でシステムの改修を行い,再検証を行う。
|