研究課題/領域番号 |
16H02922
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研究機関 | 愛媛大学 |
研究代表者 |
苅田 知則 愛媛大学, 教育学部, 准教授 (40363189)
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研究分担者 |
柴田 論 愛媛大学, 理工学研究科(工学系), 教授 (10263956)
樫木 暢子 愛媛大学, 教育学部, 准教授 (10635858)
山本 智規 愛媛大学, 社会共創学部, 准教授 (30380257)
中野 広輔 愛媛大学, 教育学部, 准教授 (60735330)
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研究期間 (年度) |
2016-04-01 – 2019-03-31
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キーワード | 遠隔学習支援システム / 視線入力型端末 / 遠隔操作ロボット / 長期欠席児 |
研究実績の概要 |
平成28年度は,以下の4点を本研究課題の目標としていた. 1.愛媛大学教育学部等の研究倫理委員会の審査:本学教育学部等の研究倫理委員会において審査を受け,研究遂行上,倫理面に問題がないことを確認する予定であった.ただし,平成28年度の研究内容が,主に「どこでも教室」の開発であったことから,平成29年度以降の評価研究開始時に審査を受けることとした. 2.知的財産権等の確認・特許等の出願:本申請課題で開発する遠隔学習支援システム(赤外線型視線入力装置を必要とせずWebカメラを用いてロボットの位置・方向を制御するシステム)の基盤技術について知的財産権を確認し、特許・実用新案等に出願する予定であった.研究グループと四国TLOが,特許・実用新案等を出願することについて協議を行い,大学と調整を行なっている. 3.長期欠席児の実態・ニーズ調査:研究代表者らが協力関係を構築している学校等において,長期欠席児童生徒・通学ができない児童生徒の学習支援に関する実態調査とニーズ調査を行った.特に愛媛県は病気を理由とした長期欠席児童生徒が他県に比べて多いことが明らかとなった.また,長期欠席児は学習面だけではなく対人関係にも不安を抱えており,復学に至るまでのフォローが必要であることも明らかとなった. 4.遠隔学習支援システム(名称:どこでも教室)の開発:病院等への入院により長期欠席している児童生徒に対応できる、バリアフリーに設計した視線入力型クライアント端末と遠隔操作ロボットを適用した長期欠席児の遠隔学習支援システム(名称:どこでも教室)の実現に必要なハードウエア・ソフトウエアの開発を行った.具体的には,視線入力型端末のソフトウエア開発と,遠隔操作ロボット(ハードウエア)の開発を行った.開発したシステムについては,特許等の出願を検討しており,研究成果については公表を控えている.
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
平成28年度は,申請時に予定していた計画通りに研究を実行し,目標をおおむね達成した.
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今後の研究の推進方策 |
平成29年度は,以下の研究を実施する予定である. 1.モニター評価:特別支援学校と院内学級等に協力を依頼し,開発したシステムのモニター評価,教育効果の定性的評価(インタビュー調査、参与観察)を行う. 2.遠隔学習支援システム(名称:どこでも教室)の改良:平成28年度に開発した遠隔学習支援システム(名称:どこでも教室)について,視線入力型端末と遠隔操作ロボットの機能拡充・強化を目指した開発研究を行う.視線入力型端末については,直感的な操作が可能なユーザーインタフェースであるが,モニター評価によって得られた結果に基づき,システムの改良(アクセシビリティーの確保,ユーザビリティの向上)を進める. 3.遠隔学習支援システムを用いた指導・支援方法の検討:モニター評価において試行した指導・支援方法を整理・分析し,事例集を作成する。また,連携医療機関との連携において,長期欠席状態の児童生徒への対応,健康問題への対応(医療的ケア含む)に関する方法論を検討する.
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