研究課題/領域番号 |
16H02940
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研究機関 | 琉球大学 |
研究代表者 |
藤田 和彦 琉球大学, 理学部, 教授 (00343377)
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研究分担者 |
菅 浩伸 九州大学, 比較社会文化研究院, 教授 (20294390)
長谷川 均 国士舘大学, 文学部, 教授 (80208496)
中島 洋典 有明工業高等専門学校, 一般教育科, 教授 (90172303)
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研究期間 (年度) |
2016-04-01 – 2021-03-31
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キーワード | 環境変動 / 完新世 / サンゴ礁 / 堆積物生産 / 有孔虫 / サンゴ州島 |
研究実績の概要 |
本年度は,(1)久米島ハテノハマのトレンチ調査を行い,基盤となるサンゴ礁の深度と岩相を明らかにすること,(2)基盤直上の堆積物の分析を行うことによって,ハテノハマの形成時期と発達過程を明らかにすることを目的とした. 2019年9月にトレンチ調査を行い堆積相を記載し,基盤付近の堆積物試料を採取した.トレンチ堆積物試料ならびに昨年度採取したコアSC-2の未分析堆積物試料を用いて,粒度組成,形状組成,生砕物組成,有孔虫組成,星砂の摩耗度組成を調べた.また,コア上部に含まれる保存状態の良い有孔虫(太陽の砂)について放射性炭素年代測定を依頼した. トレンチ調査の結果,深度約80 cmでサンゴ礁基盤に達した.堆積相は深度80-40 cmは極粗粒砂-細礫層と中-粗粒砂層が交互に堆積し,深度40-15 cmは極粗粒砂-細礫層から極粗粒砂層を経て中-粗粒砂層が堆積するユニットが繰り返され,その間に細礫-中礫層や大礫を挟む.深度15-0 cmは極粗粒砂層と中-粗粒砂層が交互に堆積する.トレンチ試料の粒度は中礫で,良く円磨されたサンゴ片や礫を含むことから,コアSC-2の高潮位面以下の堆積物と類似する.放射性炭素年代測定の結果,保存状態の良い太陽の砂は約3400年前に生産されたことが明らかとなった. 以上の結果に基づいて,ハテノハマの形成時期や発達過程とサンゴ礁生物生産量変動との関係を明らかにする予定である。 また、グレートバリアリーフの堆積物試料を用いて同様の研究を進めていた最終氷期最盛期のサンゴ礁形成と生物生産に関する研究成果をGeology誌に公表した.
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
・ハテノハマの地下構造を把握し,分析が完了した. ・研究成果の一部を公表した.
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今後の研究の推進方策 |
・論文の公表を進める. ・最終年度となるため,本研究を発展させた科研費申請を検討する.
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