研究課題
これまでに世界最高水準の安定同位体比分析計(IRMS)を用いた炭酸塩の超高解像度環境解析の研究基盤(MICAL3c)を確立し,複数の共同研究を伴う積極的な応用研究を開始してきた.本研究課題は,(1)これまでの相対変動解析を主体とした生物源炭酸塩の安定同位体比による環境変動解析から,海洋そのものの同位体値復元に基づく絶対変動解析への変革を推進すること,そのために(2)境界領域・複合分野へ分析技術の適用範囲を広げ,特に水産学分野への展開を加速し,(3)世界唯一の分析技術に対する国内外の幅広い需要に応えるために確固 たる研究基盤を維持発展させることを本研究の目的としている.昨年までに引き続き,魚類耳石の解析が飛躍的に進展した.その成果は,魚類の初期生態における経験水温の復元,回遊中に魚類が経験した水塊情報の推定,そして当該魚種の集団構造を明らかにすることへと結び付いた.一方で,研究物品の調達の遅れによる研究停滞もあった.しかしながら分野融合の複数の研究成果の報告をすることができた.特に,魚類の水温換算式の構築や,SIMSとの融合研究は本研究で用いる分析装置(MICAL)でしかなしえない成果であり,複合分野への分析技術の提供を実現できたことになる.研究機関終盤には研究基盤の再構築と分析の質の評価,両生類の骨組織中の安定同位体組成に基づく新規環境指標の構築を開始し,新たな環境指標としての活用を開始している.これらの成果は,次の研究ステージへと引き継がれる.本公募研究を通じて得られた成果は,当初目的を十分に達成すると共に,分析技術の新たな応用分野を開拓するに至った.
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すべて 雑誌論文 (11件) (うち国際共著 3件、 査読あり 11件、 オープンアクセス 5件) 学会発表 (19件) (うち国際学会 4件)
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