複製はDNA損傷により頻繁に停止している。この停止解除には、以下の3つの機構が関わっている。1つ目は、損傷乗り越え修復と呼ばれる損傷を乗り越えて複製を継続するDNA変異につながる機構である。2つ目は損傷下流からのリプライミグ機構である。3つ目は最近我々が発見した複製ポリメラーゼ自身がその場で乗り越えを行いDNA変異を誘導する機構である。この研究では、これら3経路の関係を調査し、これらの経路はそれぞれが相補的に働いていることを明らかにした。さらに、1つ目の機構に関わるYファミリーポリメラーゼのポリメラーゼη、ι、κの関係を調査し、これらが損傷の種類ごとに使い分けをしていることを明らかにした。
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