研究課題/領域番号 |
16H02988
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研究機関 | 横浜国立大学 |
研究代表者 |
亀屋 隆志 横浜国立大学, 環境情報研究科(研究院), 准教授 (70262467)
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研究期間 (年度) |
2016-04-01 – 2019-03-31
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キーワード | 化学物質管理 / 未規制有害物質 / 一斉分析 / 環境モニタリング / 大気環境 |
研究実績の概要 |
平成29年度研究においては、以下の2点について検討した。 『(1)半・難揮発性物質とカルボニル化合物の大気中濃度継続モニタリングデータの蓄積』については、多数の未規制有害物質についての大気モニタリングデータの蓄積を図った。大気中の半・難揮発性物質については、1週間捕集による継続モニタリングを実施し、また、アルデヒド類やケトン類などのカルボニル化合物については、1日24 時間捕集により半・難揮発性物質と同時にサンプリングを実施した。この際に、週間変動や季節変動も含めたモニタリングデータの蓄積を図った。また、化学物質の使用がある大学屋上等を基本として継続モニタリングを行いつつも、全国各地においても大気モニタリングを実施し、検出物質の種類の違いや、濃度レベルの違いなどの地域性の把握を行った。 『(2)有害物質の大気汚染状況の解析』については、一斉分析を用いた継続モニタリングによって得られる大量データをもとに、半・難揮発性物質およびアルデヒド類やケトン類などのカルボニル化合物による大気汚染の状況の把握を行った。その際には、これまでに国や地方公共団体が行っている従来調査における大気モニタリングデータとの比較を行い、本研究で新たなに検出された物質の有無うぃ調べて、本研究のような簡易な一斉分析法の有用性を示すとともに、検出頻度や検出濃度レベルの違いの把握を行った。また、地域による検出状況の違いや、物質間での検出状況の関係性、PRTR情報における近隣地域からの大気排出量との比較を試みた。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
計画的な継続モニタリングデータの蓄積に努めており、当初計画で予定している内容をほぼ順調に実施している。
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今後の研究の推進方策 |
平成30年度には、引き続き、 (1)大気中濃度継続モニタリングデータの蓄積 (2)大気汚染状況の解析 を実施することとしている。 具体的には、半・難揮発性物質については1週間捕集、アルデヒド類やケトン類などのカルボニル化合物については1日捕集を基本とし、同時サンプリングによる継続的なモニタリングを実施する。全国大学や地方自治地の環境科学研究所などの協力を得て、一般環境や道路近傍、自動車やバイクなどの移動体、工場等発生源近傍、一般住宅室内などでの大気モニタリングデータの蓄積を図る。また、一斉分析法を用いた継続モニタリングによって得られる大量のデータをもとに、半・揮発性物質およびアルデヒド類やケトン類などのカルボニル化合物による大気汚染の状況を明らかにする。各物質の検出頻度や検出濃度をはじめ、物質間での検出状況の相関性や、時間的変動傾向の有無、気象条件等による検出濃度への影響の有無、PRTR報告されている近傍での大気排出量との比較解析を行い、各観測地点での汚染の特徴や発生源に関する考察を行う。
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