研究課題/領域番号 |
16H02989
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研究種目 |
基盤研究(B)
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配分区分 | 補助金 |
応募区分 | 一般 |
研究分野 |
環境リスク制御・評価
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研究機関 | 愛媛大学 |
研究代表者 |
野見山 桂 愛媛大学, 沿岸環境科学研究センター, 准教授 (30512686)
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研究分担者 |
水川 葉月 北海道大学, 獣医学研究院, 博士研究員 (60612661)
国末 達也 愛媛大学, 沿岸環境科学研究センター, 教授 (90380287)
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研究協力者 |
石塚 真由美
岩田 久人
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研究期間 (年度) |
2016-04-01 – 2019-03-31
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キーワード | ネコ / PCBs / OH-PCBs / トランスクリプトーム / メタボローム / in vivo / PBDEs |
研究成果の概要 |
ネコを対象にPCBs12異性体混合物の曝露試験を実施し、血液・肝臓・脳を対象にトランスクリプトームおよびメタボローム解析を実施した。 トランスクリプトームでは、21890遺伝子のうちPCBs曝露群で531遺伝子が有意に変動した。パスウェイ解析の結果、炎症や感染症関連経路への影響が認められ、PCBsによる免疫系への影響が示唆された。 血清を対象としたメタボローム解析では、122種のメタボロームが有意な変動を示した。パスウェイ解析の結果、ペントースリン酸回路、ヒスチジン代謝系等の中心炭素代謝に関連するメタボロームが減少しており、PCBs曝露に伴うこれらの代謝経路の抑制が示唆された。
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自由記述の分野 |
環境分析化学・環境毒性学・異物代謝学
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
本研究によりネコが有機ハロゲン化合物に高濃度曝露され、免疫系や甲状腺系、酸化ストレスの増大等の多様な悪影響を受けていることが示唆された。ネコのin vivo試験を実施した研究は極めて少なく、ペット動物の汚染実態と生理学的健康リスクの評価といった包括的なアプローチを試みた研究は世界的にみても例がなく、本申請研究成果は先導的である。 ネコは身近なペット動物であるにも関わらず、化学物質による汚染の実態と生体影響を調査した事例は乏しい。ヒトと生活環境を共にすることで、ネコは多種多様な化学物質に曝露されていることが予想される。本研究で化学物質の曝露と影響の一端が示され、学術的・社会的波及効果は大きい。
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