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2017 年度 実績報告書

超多重分光画像を用いた釧路湿原の生物多様性ホットスポット植物群落分類

研究課題

研究課題/領域番号 16H02991
研究機関東京大学

研究代表者

吉野 邦彦  東京大学, 大学院農学生命科学研究科(農学部), 教授 (60182804)

研究分担者 露崎 史朗  北海道大学, 地球環境科学研究院, 教授 (10222142)
串田 圭司  日本大学, 生物資源科学部, 教授 (90291236)
研究期間 (年度) 2016-04-01 – 2020-03-31
キーワード高層湿原 / 生物多様性スポット / 植物群落分類 / 超多重分光画像 / ドローン空中写真 / 植生変化
研究実績の概要

2017年度は,本研究課題の2年目であるため,初年度に行った現地空中写真データ(7月15日~17日)解析のための地上調査を重点的に行った.また,昨年度に購入した研究対象地域(釧路湿原中西部の高層湿原)のマルチバンド画像データ(8月11日撮影)には,全体的に雲と雲陰も撮影されていたため,今年度も同じ範囲の衛星画像データ(6月17日撮影)を購入した.
地上調査では,①空中写真を用いた高層湿原植物群落分類のための参照データを採取するために,約300地点で植物調査を行い,同時に調査地点の精密GPS測位を行った.②その地点で,高層湿原植物群落分類のために群落のカラー写真に記録されている重要な画像情報特徴量を解明するための群落の地上鉛直写真撮影を行った.③植物調査地点と同じ地点で,ポータブル・スペクトルメータによる群落の鉛直上方から,約300nmから1100nmの波長範囲で5nmの分光解像度で分光反射係数測定を行った.
以上の地上調査データを用いて,2016年撮影のドローン空中写真データからの植物群落分類を試みた.その結果,高層湿原植物群落の分類に大きく寄与する画像情報は,カラー写真上の色情報であり,反射スペクトルでは,赤バンドおよび近赤外バンドの反射率情報が必須であることが判明した.また,当該研究対象地では,2016年以外に,2010年,2012年,2015年にドローンや航空機による低高度からの空中写真を撮影しており,それらの空中写真のモザイク化作業と再分類作業を行った.

現在までの達成度 (区分)
現在までの達成度 (区分)

3: やや遅れている

理由

本研究の目的は,1)詳細植物群落分類のため,連続分光反射特性から植物群落間の分光的分離能を解明し,2)植物群落分類のためのハイパースペクトラル・リモートセンシング画像データの分類アルゴリズムを新たに開発して,3)高層湿原全体の複数年次分の高正答率の植物群落図を作成,比較し,変化を検出することである.が,しかし,a)現地湿原内へのアクセスと野外での分光反射測定の困難さのために,地上での湿原植物群落の分光反射測定データの信頼性が低いこと,b)地上調査時期と衛星画像撮影時期とが現地天候のため,ずれており,両データ間のスペクトル的な対応付けに時間がかかっていることにより,研究は,やや遅れている.

今後の研究の推進方策

本研究課題の解析に必要な各種画像データは昨年度までで,ほぼ取得しているので,今後は,衛星データの解析と地上調査による補助データの取得,および解析結果の検証を重点的に進めていく予定である.

  • 研究成果

    (4件)

すべて 2018 2017

すべて 雑誌論文 (4件) (うち査読あり 3件)

  • [雑誌論文] 森林火災・劣化の実態―世界の現状は2018

    • 著者名/発表者名
      串田圭司
    • 雑誌名

      エネルギーレビュー

      巻: 447 ページ: 19-20

  • [雑誌論文] Tundra fire alters vegetation patterns more than the resultant thermokarst2018

    • 著者名/発表者名
      Tsuyuzaki, S., Iwahana, G. & Saito, K.
    • 雑誌名

      Polar Biology

      巻: 41 ページ: 753-761

    • DOI

      10.1007/s00300-017-2236-7

    • 査読あり
  • [雑誌論文] Genetic diversity within populations of an arctic alpine species declines with decreasing latitude across the Northern Hemisphere2017

    • 著者名/発表者名
      Hirao, A.S., Watanabe, M., Tsuyuzaki, S., Shimono, A., Li, X., Masuzawa, M. & Wada, N.
    • 雑誌名

      Journal of Biogeography

      巻: 44 ページ: 2740-2751

    • DOI

      10.1111/jbi.13085

    • 査読あり
  • [雑誌論文] 北海道サロベツ湿原泥炭採 掘跡地における外来植物の侵入2017

    • 著者名/発表者名
      江川知花・西村愛子・小山明日香・露崎史朗
    • 雑誌名

      保全生態学研究

      巻: 22 ページ: 187-197

    • 査読あり

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公開日: 2018-12-17  

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