研究課題/領域番号 |
16H02994
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研究機関 | 兵庫県立大学 |
研究代表者 |
江崎 保男 兵庫県立大学, 地域資源マネジメント研究科, 教授 (10244691)
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研究分担者 |
河口 洋一 徳島大学, 大学院社会産業理工学研究部(理工学域), 准教授 (20391617)
佐川 志朗 兵庫県立大学, 地域資源マネジメント研究科, 教授 (30442859)
大迫 義人 兵庫県立大学, 地域資源マネジメント研究科, 准教授 (40326294)
内藤 和明 兵庫県立大学, 地域資源マネジメント研究科, 准教授 (50326295)
山室 敦嗣 兵庫県立大学, 地域資源マネジメント研究科, 准教授 (90352286)
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研究期間 (年度) |
2016-04-01 – 2019-03-31
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キーワード | 生物多様性 / コウノトリ / ペア形成 / 生息ポテンシャル / ハビタット再生 / 遺伝的交流 / 合意形成 |
研究実績の概要 |
a)ペア形成:2015年に徳島県鳴門市に定着したペアは2016年に産卵したものの、ペア間の共同作業がうまく行かず一旦鳴門を離れた後、翌年には再度同じ巣で産卵した。この間発信機をつけたメスの追跡とオスの地上追跡を行い、これらの経緯をデータとして把握し、ペア形成メカニズムの解明が進んだ。また居候は隣接者との闘争には参画せず、「他人以上、家族未満」の存在であることがわかった。b)生息ポテンシャルマップ:四国でのコウノトリの生息適地解析にむけ、これまで蓄積されているコウノトリ視認情報と、環境要因としての農地・河川・森林といった基盤情報の整理をGIS上で行い、予備解析を行った。c)ハビタット再生手法:豊岡市内でカエル類を調査した結果、種ごとの出現様式が時空間的に異なった。同一地区内での水田の早期湛水・中干し延期・マルチトープ等の造成が、カエル群集の保全に寄与していることが示唆される一方、河道内湿地と水田ビオトープでは、前者は魚類主体、後者はコウチュウ目・カエル類主体の群集構造を示したので、両水域の存在が水生動物群集の多様性保全に重要であると示唆された。d)遺伝的交流プラン:家系情報に基づき野外集団と飼育集団のペアの遺伝的評価を行った。飼育集団では、遺伝子多様度の増加への寄与がペアにより異なるため、これを考慮に入れた適切な繁殖計画を立てることの重要性が示唆された.野外集団については現存するペアの多くは遺伝子多様度の増加に寄与しないことがわかった。e)合意形成:豊岡市内の「コウノトリの郷営農組合」を対象に、コウノトリ育む農法の導入をめぐる合意形成過程を研究した結果、ステークホルダー自身による「調査活動」とこれを通じた「学習」が、地域に埋もれている資源の再発見と、参加者間の相互理解を育む点において重要な役割を果たすことがわかった。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
当初計画に記した項目を概ね達成しているため。
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今後の研究の推進方策 |
当初計画に従って次年度以降の研究および実践を進める。
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