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2018 年度 実績報告書

自然アクセス制度の国際比較―コモンズ論の新展開にむけて

研究課題

研究課題/領域番号 16H03009
研究機関兵庫県立大学

研究代表者

三俣 学  兵庫県立大学, 経済学部, 教授 (10382251)

研究分担者 神山 智美  富山大学, 経済学部, 准教授 (00611617)
石崎 涼子  国立研究開発法人森林研究・整備機構, 森林総合研究所, 主任研究員 等 (10353575)
齋藤 暖生  東京大学, 大学院農学生命科学研究科(農学部), 助教 (10450214)
嶋田 大作  福岡女子大学, 国際文理学部, 准教授 (40527876)
研究期間 (年度) 2016-04-01 – 2021-03-31
キーワード自然アクセス制 / コモンズ / 協治
研究実績の概要

本年度も、研究計画、(1)自然アクセス制に関する文献収集、(2)国内外における自然アクセス制に関する管理主体への聞き取り調査、(3)利用者に対する実態調査を同時並行的に進捗させた。

(1)については、とりわけ、米国・スイス・ドイツの法的、制度的枠組みについての文献収集および概要の把握に関して進展を図った。
(2)については、共同研究者・石崎涼子が、東ドイツ(ブランデンブルク州)において主要関係機関での聞き取り調査を実施した。同調査により、南西ドイツと異なる制度や実態が判明しつつある。他方、ノルウェーについては、2018年度に研究協力者・嶋田大作が同国に留学したこともあり、これまで以上に、協力機関・ネットワークの拡充を図ることができた。齋藤暖生と三俣学は、ノルウェー及びスイスで関係機関との協働を進めた。その結果、(3)スイスにおける利用者実態把握についての研究を大きく進展することに成功した。すなわち、スイスの森林研究機関の調査協力を得て、利用者アンケート結果を得ることができた。国内研究においては、京都一周トレイルにおける林道破損(台風による倒木等)の状況について、現地踏査および関係者への聞き取り調査を実施した。

上記の同時進行を図りつつ、複数の学術論文の刊行・学会発表(自然アクセス制をテーマとする企画セッション:林業経済学会:三俣・齋藤・神山による報告)などを行い、その成果を世に問うことができた。学術的発信だけでなく、社会に広く成果を公表する目的で刊行している『Public Access』第3号を発刊した。

現在までの達成度 (区分)
現在までの達成度 (区分)

2: おおむね順調に進展している

理由

研究開始当初予定していた政策論・サステナビリティ論との接合以外については、上記、研究実績の概要に記した通り、ほぼ計画通りの成果を得ている。

今後の研究の推進方策

これまでの研究成果の公表に尽力する。本研究の学術的意義を問うべく、2019年7月上旬、ペルーのリマにて開催される国際コモンズ学会(IASC:International Association of the Study of the Commons)において、パネルセッションを企画し報告する。2019年4月現在、3名のプロジェクトメンバーが審査を通過し、同パネルには、協力者を含めて4報告予定している。利用者実態調査については、2020年度ノルウェーでの実施に向けて、その準備作業を進める予定である。

  • 研究成果

    (23件)

すべて 2019 2018

すべて 雑誌論文 (8件) (うちオープンアクセス 6件、 査読あり 5件) 学会発表 (11件) (うち招待講演 2件) 図書 (4件)

  • [雑誌論文] 風力発電事業と騒音に関する一考察?米国判例を素材として2019

    • 著者名/発表者名
      神山智美
    • 雑誌名

      富大経済論集

      巻: 64(3) ページ: 557-600

  • [雑誌論文] 自然アクセス制の現代的意義―日英比較を通じて2019

    • 著者名/発表者名
      三俣学
    • 雑誌名

      商大論集

      巻: 70 ページ: 93-116

    • オープンアクセス
  • [雑誌論文] 富士山北面における生業の展開と保護地域制度2019

    • 著者名/発表者名
      齋藤暖生
    • 雑誌名

      国立歴史民俗博物館研究報告

      巻: 215 ページ: 9-32

    • 査読あり / オープンアクセス
  • [雑誌論文] 食用植物・キノコの採取・利用にみる森林文化―文化的要素の抽出および文化動態の解釈の試み2019

    • 著者名/発表者名
      齋藤暖生
    • 雑誌名

      林業経済研究

      巻: 65(1) ページ: 15-26

    • 査読あり / オープンアクセス
  • [雑誌論文] 山中湖のワカサギと東京帝国大学2019

    • 著者名/発表者名
      齋藤暖生
    • 雑誌名

      演習林

      巻: 61 ページ: 35-43

    • 査読あり / オープンアクセス
  • [雑誌論文] Effects of managed forest versus unmanaged forest on physiological restoration from a stress2019

    • 著者名/発表者名
      Haruo Saito, Masahiro Horiuchi, Norimasa Takayama & Akio Fujiwara
    • 雑誌名

      Journal of Forest Research,

      巻: 24(2) ページ: 77-85

    • 査読あり / オープンアクセス
  • [雑誌論文] 九州自然歩道の利用者特性と環境意識ー訪問者を対象とした現地実施・現地記入のアンケート調査を基に2019

    • 著者名/発表者名
      嶋田大作・日和佐楓
    • 雑誌名

      林業経済研究

      巻: 65(1) ページ: 72-80

    • 査読あり / オープンアクセス
  • [雑誌論文] 富士山北東麓の生態と生業-地域環境の限界と可能性-2018

    • 著者名/発表者名
      齋藤暖生
    • 雑誌名

      静岡県民俗学会誌

      巻: 31-32 ページ: 1-10

  • [学会発表] External Impacts and their Influence on the Commons: A Case Study of Zaisanku (Property Ward) in Toyota City, Aichi Prefecture in Japan.2019

    • 著者名/発表者名
      Mitsumata Gaku
    • 学会等名
      第2回東アジア共同資源国際学術会議 “The Dynamics of the commons”
    • 招待講演
  • [学会発表] Escheatment Laws(権利失効および公への帰属に関する法)に係る一考察2019

    • 著者名/発表者名
      神山智美
    • 学会等名
      国際取引法学会
  • [学会発表] 山中湖に暮らす地域住民の「森林と健康」に関する意識調査2019

    • 著者名/発表者名
      竹内啓恵・藤原章雄・齋藤暖生・高山範理・森田恵美
    • 学会等名
      日本森林学会大会
  • [学会発表] 森林所有制度の視点から見る中国の集団林2019

    • 著者名/発表者名
      韋珉傑・石橋整司・安村直樹・齋藤暖生
    • 学会等名
      日本森林学会大会
  • [学会発表] 食用植物・キノコの採取・利用にみる森林文化─文化的要素の抽出および文化動態の解釈の試み─2019

    • 著者名/発表者名
      齋藤暖生
    • 学会等名
      林業経済学会2019年春季大会シンポジウム
  • [学会発表] コモンズ論の思想的展開と自然アクセス制の考え方2018

    • 著者名/発表者名
      三俣学
    • 学会等名
      環境思想・教育研究学会 第4回大会
    • 招待講演
  • [学会発表] 自然アクセス制の国際比較―コモンズ論の新展開2018

    • 著者名/発表者名
      三俣学
    • 学会等名
      林業経済学会2018年秋季大会
  • [学会発表] イングランドにおける自然アクセス活動の実態と規範―Epping forestとCleeve Commonにおけるアンケート調査から2018

    • 著者名/発表者名
      齋藤暖生・三俣学・POWELL, John
    • 学会等名
      林業経済学会2018年秋季大会
  • [学会発表] 自然アクセス制の国際比較 アメリカの自然アクセス制-サブシステンス(生業)から日常享受性(レクリエーション)の確保2018

    • 著者名/発表者名
      神山智美
    • 学会等名
      林業経済学会2018年秋季大会
  • [学会発表] 市民の憩いの場としての大学演習林-米国Duke University、Warren Wilson Collegeの事例2018

    • 著者名/発表者名
      齋藤暖生
    • 学会等名
      森林保健学会第8回学術総会
  • [学会発表] 山中湖村で取り組み始めた森活で健康プロジェクトの紹介2018

    • 著者名/発表者名
      藤原章雄・齋藤暖生・竹内啓恵
    • 学会等名
      森林保健学会第8回学術総会
  • [図書] 人と自然の環境学2019

    • 著者名/発表者名
      三俣学
    • 総ページ数
      280
    • 出版者
      東京大学出版会
    • ISBN
      978-4-13-063371-0
  • [図書] 環境経済・政策学事典2018

    • 著者名/発表者名
      環境経済・政策学会
    • 総ページ数
      (三俣担当章:pp. 656-567)
    • 出版者
      丸善出版
    • ISBN
      978-4621302927
  • [図書] 自然環境法を学ぶ2018

    • 著者名/発表者名
      神山 智美
    • 総ページ数
      360
    • 出版者
      文眞堂
    • ISBN
      978-4-8309-5009-4
  • [図書] 森林のルネサンス:先駆者から未来への発信2018

    • 著者名/発表者名
      一般財団法人林業経済研究所
    • 総ページ数
      齋藤担当頁 249
    • 出版者
      日本林業調査会
    • ISBN
      978-4-88965-253-6 C0061

URL: 

公開日: 2019-12-27  

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