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2018 年度 実績報告書

車速を適正に誘導する路面表示の配列デザインに関する規格の開発と検証

研究課題

研究課題/領域番号 16H03017
研究機関国立研究開発法人土木研究所

研究代表者

四辻 裕文  国立研究開発法人土木研究所, 土木研究所(寒地土木研究所), 研究員 (40625026)

研究分担者 喜多 秀行  神戸大学, 工学研究科, 教授 (50135521)
松本 修一  文教大学, 情報学部, 准教授 (60389210)
研究期間 (年度) 2016-04-01 – 2020-03-31
キーワード路面表示 / アフォーダンス / ベクション / 配列デザイン / 誘導
研究実績の概要

道路の路面表示の中には、カーブやその手前で、通行車両の運転者の注意を喚起して減速を促すものがある。そのような路面表示には、現状では、道路幾何構造に則して適正な車速へと誘導できる機能が具備されていない。本研究の目的は、路面表示が車速誘導の機能を発揮できるようにするための設計規格のうち特に配列デザインに着目し、その規格を開発して、屋外実験を通じてデザインの有効性を検証することである。
30年度に実施した研究の成果は次の通りである。(1) 路面表示の配列デザインがオプティックフロー変化率を介して運転者に及ぼす視覚性運動制御メカニズム仮説について、ドライビングシミュレーション室内実験で得られた統制環境下での運転データに基づき、仮説の妥当性を統計的に検証した。その結果、カーブ手前の直線区間に路面表示を配置した場合、急なカーブに対しては、カーブに近い位置にライン間隔減少タイミングを置くようにすると、より高い減速効果を生むということが統計的に検証された。(2) 予備実験で得た課題を反映した屋外実験計画を立案し、JARIコースで屋外実験を実施した。統制環境下の室内実験データに基づく理論仮説の検証結果と、実走行環境下の屋外実験データに基づく検証結果を統計的に比較して、理論仮説の頑健性を検討した。その結果、室内実験と屋外実験の両方で、急なカーブに対しては、上記の配列デザインが効果的であることの統計的有意性が認められた。(3) したがって、(1)(2)の結果により、カーブ半径に応じて弾力的に配列をデザインすることが従来よりも高い減速効果を生むことが分かった。

現在までの達成度 (区分)
現在までの達成度 (区分)

2: おおむね順調に進展している

理由

これまで実施してきた室内実験と屋外実験を通じて、車速を適正に誘導する路面表示の配列デザインに関する規格の開発に必要となるデータ収集は完了した。そのデータを用いた統計的な検証の結果、路面表示の配列デザインが車速を適正に誘導するメカニズム仮説の頑健性が認められた。全体の研究実施計画の最終年度における成果とりまとめに向けて、とりまとめに必要な成果が揃ってきており、現在までの達成度は「おおむね順調に進展している」と評価できる。

今後の研究の推進方策

全体の研究実施計画の最終年度に向けて、研究成果のとりまとめを推進する。

  • 研究成果

    (6件)

すべて 2019 2018

すべて 雑誌論文 (3件) (うち査読あり 3件、 オープンアクセス 1件) 学会発表 (3件) (うち国際学会 1件)

  • [雑誌論文] Does array pattern of speed reduction markings need to be changed in according with horizontal curve radius? Causality analysis using driving simulator data2018

    • 著者名/発表者名
      Hirofumi Yotsutsuji
    • 雑誌名

      Journal of the Eastern Asia Society for Transportation Studies

      巻: 12 ページ: 1904-1916

    • DOI

      10.11175/easts.12.1904

    • 査読あり / オープンアクセス
  • [雑誌論文] 減速マーク表示の配列とカーブの平面曲線半径との組み合わせが先頭車両の車速変化に及ぼす影響に関する屋外実験研究2018

    • 著者名/発表者名
      四辻裕文、シンジャン、米村圭一郎、甲斐穂高、松本猛秀、喜多秀行
    • 雑誌名

      交通工学研究発表会論文集(研究論文)

      巻: 38 ページ: 335-340

    • 査読あり
  • [雑誌論文] 一般ドライバと高齢ドライバのサグ部における速度低下抑制効果の比較2018

    • 著者名/発表者名
      佐藤史弥、松本修一、西元崇
    • 雑誌名

      交通工学研究発表会論文集(研究論文)

      巻: 38 ページ: 157-163

    • 査読あり
  • [学会発表] How should the pattern of speed reduction markings vary according to curve radius? Evidence from field experiments in Japan2019

    • 著者名/発表者名
      Hirofumi Yotsutsuji, Jian Xing, Hideyuki Kita, Keiichiro Yonemura, Hodaka Kai, Takahide Matsumoto
    • 学会等名
      Transportation Research Board 98th Annual Meeting
    • 国際学会
  • [学会発表] 減速マーク表示の配列とカーブの平面曲線半径との組み合わせが先頭車両の車速変化に及ぼす影響に関する屋外実験研究2018

    • 著者名/発表者名
      四辻裕文、シンジャン、米村圭一郎、甲斐穂高、松本猛秀、喜多秀行
    • 学会等名
      第38回交通工学研究発表会
  • [学会発表] 一般ドライバと高齢ドライバのサグ部における速度低下抑制効果の比較2018

    • 著者名/発表者名
      佐藤史弥、松本修一、西元崇
    • 学会等名
      第38回交通工学研究発表会

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公開日: 2021-01-27  

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