研究課題/領域番号 |
16H03025
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研究機関 | 広島大学 |
研究代表者 |
谷田 創 広島大学, 生物圏科学研究科, 教授 (20197528)
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研究分担者 |
七木田 敦 広島大学, 教育学研究科, 教授 (60252821)
山下 久美 東洋英和女学院大学, 人間科学部, 准教授 (80410158)
木場 有紀 帝京科学大学, 教育人間科学部, 准教授 (30610703)
小川 景子 広島大学, 総合科学研究科, 准教授 (70546861)
川西 正子 近畿大学, 農学部, 准教授 (20221038)
沖田 美紀 広島大学, 生物圏科学研究科, 助教 (30611842)
村尾 信義 倉敷芸術科学大学, 生命科学部, 助教 (20542062)
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研究期間 (年度) |
2016-04-01 – 2020-03-31
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キーワード | 食育フィールド教育 / 食農教育 / 保育 / 幼児教育 / 動物介在教育 / 動物福祉 / 家畜生産 |
研究実績の概要 |
平成29年度は、PDCAサイクルの中で、前年度の研究結果の一部を用いて、「保育系学生食農演習」と「保育者食農演習」の内容の改善を行った上で、演習の実施とその評価を行った。また、前年度の受講生(学生及び保育者)の追跡調査を開始した。具体的には、実施した「保育系学生食農演習」と「保育者食農演習」の効果を測定するための事前事後調査として、食育知識到達度テスト及び事後アンケート調査を行なった。食育知識到達度テストからは、受講生の食育に関するリテラシーの向上が認められた。しかしその一方で事後アンケート調査から、農業を専門外とする保育系の受講生にとって、農業・家畜生産に関するテクニカルタームが難解であることも明らかとなった。さらに事後アンケート調査の自由記述を意味の単位に区切り、それにラベル(コード)を付けてコーディングすることで、内容を切片化し、受講生の意識の流れを分析した(コードは一言であったり、短い一文であったりする)。その結果、受講生にとって「食となる家畜と接する本食育体験」は、自大学では経験できない内容であり、社会に出てからの今後の進路(幼稚園や保育園)の選択に大きく影響していることが明らかとなった。その一方で、本体験を現場の保育(幼児教育)へどのように具体的に生かすのかという点においては、現場の近くに大学付属農場がないので、工夫が必要だとする意見も多かった。これらの問題点を踏まえた上で、平成30年度の「保育系学生食農演習」と「保育者食農演習」のプログラムの計画を立案した。具体的には、家畜生産や農業の現場が近くになくても、幼稚園や保育園の環境で取り組むことが可能な実習内容を含めることとした。また、これまでに受講した学生の追跡アンケート調査を開始した。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
平成29年度は、PDCAサイクルの中で、前年度の研究結果の一部を用いて、「保育系学生食育演習」と「保育者食育演習」の内容の改善を行った上で、演習の実施とその評価を行う計画であった。また、前年度の受講生(学生及び保育者)の追跡調査を開始する計画であった。計画どおり、食育知識到達度テスト及び事後アンケート調査を行ない、その内容の評価を行なった。さらにその成果を踏まえて、平成30年度の演習に向けての計画(Plan)を立案した。また、これまでに受講した学生の追跡アンケート調査を予定通り開始して、その内容の分析に着手した。その結果、保育系学生の食育知識到達度は、演習後に大幅に上昇したことが明らかとなった。また、受講生のほとんどが演習を受講することによって今後の進路に大きく影響したと回答した。一方で、先立って行った保育者食育演習の受講者に対する評価から、現場の保育者の食育プログラムに対するニーズが明らかとなった。その結果を保育系学生食育演習のプログラム内容に反映することができた。これらの成果の一部を日本保育学会において発表するとともに、各学会誌へ投稿、受理された。以上の結果から、本研究課題はおおむね順調に進展していると自己点検評価した。
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今後の研究の推進方策 |
平成29年度は、計画どおりに、PDCAサイクルの中で、前年度の研究結果の一部を用いて、「保育系学生食農演習」と「保育者食農演習」の内容の改善を行った上で、演習の実施とその評価を行い、内容の評価を行なった上で、その成果を踏まえて、平成30年度の演習に向けての計画(Plan)を立案した。また、前年度の受講生(学生及び保育者)の追跡調査を開始して、その内容の分析に着手した。さらに平成30年度の「保育系学生食農演習」と「保育者食農演習」の受講生についてもすでに定員分確保できており、予定通り実施する計画となっている。これらのことから、平成30年度の研究計画についても、大幅な変更をすることなしに実施できる見通しが立った。平成30年度は、平成29年度に引き続いて、PDCAサイクルの中で、前年度の研究結果の一部を用いて、「保育系学生食育演習」と「保育者食育演習」の内容の改善を行った上で、演習の実施とその評価を行う計画である。また、前年度の受講生(学生及び保育者)の追跡調査を開始する計画である。さらに、食育知識到達度テスト及び事後アンケート調査を行ない、その内容の評価を行う。またその成果を踏まえて、平成31年度の演習に向けての計画(Plan)を立案する予定である。
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