地域変容に対応した避難行動要支援者のための地区共助計画システムの構築に関する研究

2018 年度 実績報告書

• 研究課題/領域番号: 16H03028
• 研究機関: 大阪市立大学
• 研究代表者: 宮野 道雄 大阪市立大学, 大学院生活科学研究科, 学長補佐 (00183640)
• 研究分担者: 三田村 宗樹 大阪市立大学, 大学院理学研究科, 教授 (00183632) ; 吉田 大介 大阪市立大学, 大学院工学研究科, 准教授 (00555344) ; 山本 啓雅 大阪市立大学, 大学院医学研究科, 准教授 (20509723) ; 森 一彦 大阪市立大学, 大学院生活科学研究科, 教授 (40190988) ; 渡辺 一志 大阪市立大学, 都市健康・スポーツ研究センター, 教授 (50167160) ; 横山 美江 大阪市立大学, 大学院看護学研究科, 教授 (50197688) ; 生田 英輔 大阪市立大学, 大学院生活科学研究科, 准教授 (50419678) ; 由田 克士 大阪市立大学, 大学院生活科学研究科, 教授 (60299245) ; 佐伯 大輔 大阪市立大学, 大学院文学研究科, 准教授 (60464591) ; 重松 孝昌 大阪市立大学, 大学院工学研究科, 教授 (80206086) ; 貫上 佳則 大阪市立大学, 大学院工学研究科, 教授 (90177759)
• 研究期間 (年度): 2016-04-01 – 2019-03-31
• キーワード: 地区防災計画 / 地域居住 / コミュニティ防災 / まちづくり / 避難行動要支援者

研究実績の概要

わが国では、東日本大震災、熊本地震、北海道胆振東部地震、九州北部豪雨、西日本豪雨、21号台風など度重なる災害発生により、地域の防災力向上が政策的に大きな関心事になっている中、従来条件を覆す人口減少・少子高齢化、学校統廃合、都市施設老朽化、気候変動など地域変容に対応した仕組みが求められている。なかでも、コミュニティのリスク特性を反映できる地区防災計画が注目されており、とりわけ被害が集中する高齢者・障がい者・妊婦・幼児など避難行動要支援者のための実効性のある仕組みづくりが急務である。
本研究では新たに、「地区共助計画システム」という考え方を導入し、地域防災と地域福祉が融合したプラットフォームを創出することで、「つながりの回復」に向けた共助の仕組みが構築され、防災力向上が促進されるという仮説のもとに、新たな理論とシステムの構築を図ることを目的とし、国内外の先進地域調査および社会実験から明らかにすることを目指した。
研究期間最終年度にあたる平成30年度には、2年間にわたって行ってきた「全国自治体防災アンケート調査」の結果を研究分担者がそれぞれの視点から分析し、研究成果の出版物に反映させた。主な内容としては、全国の福祉避難所についてはいまだ、災害時の母子への支援体制が整備されていないことが判明し、食料・飲料水備蓄では備蓄日数の平均が2.2日と3日に満たない実態が明らかになった。避難支援プラン策定の対象者については、重度要介護認定者が95.4％、身体・知的障がい者が94.3％、高齢者のみの世帯77.4％の順に多く、妊婦・乳幼児は31.8％であった。
また、本研究期間内に発生した西日本豪雨災害および台風21号による被災地での被災実態と避難行動要支援者を含む住民の避難状況、防災意識、災害対策等を調査し、本研究成果に付与するとともに地域における講演会やワークショップで知見の還元に努めた。

現在までの達成度 (段落)

平成30年度が最終年度であるため、記入しない。

今後の研究の推進方策

平成30年度が最終年度であるため、記入しない。

研究成果

• [雑誌論文] 災害公営住宅に居住する被災高齢者の身体活動の季節変動 (2018)
  • 著者名/発表者名: 生田英輔・萬羽郁子・宮野道雄
  • 雑誌名: 日本生理人類学会誌 巻: 23-3 ページ: 107-113
  • 査読あり
• [雑誌論文] 災害時避難行動要支援者（要介護者および視覚障がい者）および支援者の体力と避難行動 (2018)
  • 著者名/発表者名: 渡辺一志・今井大喜・山口貴大・荻田亮・岡崎和伸・横山久代・鈴木雄太・生田英輔・宮野道雄
  • 雑誌名: 都市防災研究論文集 巻: 5 ページ: 7-12
  • 査読あり
• [雑誌論文] 日本の学校教育における防災意識向上に関する研究 (2018)
  • 著者名/発表者名: 西田愛・吉田大介・生田英輔
  • 雑誌名: 都市防災研究論文集 巻: 5 ページ: 19-24
  • 査読あり
• [雑誌論文] Enhancing Prediction Performance of Landslide Susceptibility Model Using Hybrid Machine Learning Approach of Bagging Ensemble and Logistic Model Tree (2018)
  • 著者名/発表者名: Truong Xuan、Mitamura Muneki、Kono Yasuyuki、Raghavan Venkatesh、Yonezawa Go、Truong Xuan、Do Thi、Tien Bui Dieu、Lee Saro
  • 雑誌名: Applied Sciences 巻: 8 ページ: 1046～1046
  • DOI: https://doi.org/10.3390/app8071046
  • 査読あり
• [雑誌論文] ネパール・カトマンズ都市域の学校への防災まち歩き出前授業の実施 (2018)
  • 著者名/発表者名: 三田村宗樹・森田剛光・Shrestha D.
  • 雑誌名: 都市防災研究論文集 巻: 5 ページ: 13-18
  • 査読あり
• [雑誌論文] 平成30年大阪北部を震源とする地震時の大学生の避難行動分析 (2018)
  • 著者名/発表者名: 生田英輔・三田村宗樹・重松孝昌・佐伯大輔・河本ゆう子
  • 雑誌名: 都市防災研究論文集 巻: 5 ページ: 41-44
  • 査読あり
• [学会発表] 市町村レベルにおける災害時のための食料・飲料水の備蓄と関連する取り組みの状況（第2報） (2019)
  • 著者名/発表者名: 由田克士・生田英輔・宮野道雄
  • 学会等名: 第17回日本栄養改善学会近畿支部学術総会
• [学会発表] 地域住民を対象とした防災講座の防災知識・行動に及ぼす効果 (2019)
  • 著者名/発表者名: 佐伯大輔・生田英輔・三田村宗樹
  • 学会等名: 第５回地区防災計画学会
• [学会発表] 堺市北区五箇荘校区における地区防災への取組 (2019)
  • 著者名/発表者名: 佐伯大輔
  • 学会等名: 第５回地区防災計画学会
• [学会発表] ネパールにおける防災教育と避難施設運営の支援 (2019)
  • 著者名/発表者名: 三田村宗樹・森田剛光・Shrestha D.
  • 学会等名: 第５回地区防災計画学会
• [学会発表] 病院の災害対応におけるICTを活用した情報管理システム (2019)
  • 著者名/発表者名: 山本啓雅
  • 学会等名: 第24回日本災害医学会総会・学術集会
  • 招待講演
• [学会発表] 平成29年7月九州北部豪雨災害調査 (2018)
  • 著者名/発表者名: 伊永勉・宮野道雄・生田英輔・川下明子
  • 学会等名: 地域安全学会
• [学会発表] 平成30年7月豪雨（西日本豪雨）災害調査－倉敷市真備町- (2018)
  • 著者名/発表者名: 宮野道雄・河本ゆう子・内海俊彦
  • 学会等名: 地域安全学会
• [学会発表] 災害時要支援者および支援者の体力と避難行動 (2018)
  • 著者名/発表者名: 渡辺一志・今井大喜・山口貴大・荻田亮・岡崎和伸・横山久代・鈴木雄太・生田英輔・宮野道雄
  • 学会等名: 第73回日本体力医学会大会
• [学会発表] Physical Fitness for Helping Older Adults and the Visually Impaired Persons in Disaster Evacuation (2018)
  • 著者名/発表者名: Hitoshi Watanabe
  • 学会等名: Wednesday Seminar, Nutritional Sciences, College of Agriculture and Life Science , The Unversity of Arizona
• [学会発表] 自治体と連携した防災やインフラ点検におけるドローンの活用 (2018)
  • 著者名/発表者名: 吉田大介
  • 学会等名: 東京大学CSISｓシンポジウム2018
  • 招待講演
• [学会発表] リアルな体験を可能にする災害訓練ARアプリ (2018)
  • 著者名/発表者名: 吉田大介
  • 学会等名: 防犯防災総合展2018
  • 招待講演
• [学会発表] 盆地の成り立ち (2018)
  • 著者名/発表者名: 三田村宗樹
  • 学会等名: KG-NET・関西圏地盤研究会
• [学会発表] Assessment of the manageability of a disaster medical care system in Osaka City by a simulation of a Nankai Trough quake using GIS (2018)
  • 著者名/発表者名: Hirmasa Yamamoto, Kazunari Kimura and Yasumitsu Mizobata
  • 学会等名: 14th Asia Pacific Conference on Disaster Medicine
• [学会発表] Development of a Headquarter Support System that enables hospitals to collect, analize, and transmit information during a disaster (2018)
  • 著者名/発表者名: Hiromasa Yamamoto, Tomohiro Noda and Yasumitsu Mizobata
  • 学会等名: 14th Asia Pacific Conference on Disaster Medicine
• [学会発表] 大阪市を対象とした2017年台風21号襲来時の避難状況の地域比較 (2018)
  • 著者名/発表者名: 二宮佳一・生田英輔
  • 学会等名: 地域安全学会
• [図書] 地域変容に対応した避難行動要支援者のための地区共助計画 (2019)
  • 著者名/発表者名: 宮野道雄・生田英輔編
  • 総ページ数: 138
  • 出版者: 大阪公立大学共同出版会
  • ISBN: 978-4-907209-97-1
• [備考] CERD-ARアプリ ソースコード公開サイト
  • URL: https://bitbucket.otg/nro2dai/cerd-ar/
• [備考] 大阪市立大学都市防災教育研究センターホームページ
  • URL: http://dev.cerd.osaka-cu.ac.jp