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2018 年度 実績報告書

渋味の生理的意義の究明

研究課題

研究課題/領域番号 16H03032
研究機関神戸学院大学

研究代表者

石井 剛志  神戸学院大学, 栄養学部, 准教授 (50448700)

研究分担者 越阪部 奈緒美  芝浦工業大学, システム理工学部, 教授 (30554852)
赤川 貢  大阪府立大学, 生命環境科学研究科, 准教授 (70405356)
伊藤 聖子  静岡県立大学, 食品栄養科学部, 助教 (70466506)
新井 映子  静岡県立大学, 食品栄養科学部, 教授 (90134783)
研究期間 (年度) 2016-04-01 – 2020-03-31
キーワード渋味 / ポリフェノール / 分子挙動 / 標的タンパク質 / 標的探索技術
研究実績の概要

平成29年度までに特定された渋味物質による生理機能について、分子レベルでの発現機構の解明を目的とし、研究を進めた。
カテキン類、メチル化カテキン類およびテアフラビン類については、食欲抑制を介して抗肥満作用が期待される胃粘膜からのレプチン分泌作用について評価・解析し、培養細胞系において作用機序の一端を明らかにし、国内学会にて発表した。テアフラビン類については、胆汁酸トランスポーター阻害機構を評価解析し、作用機序の一端について国内学会にて発表した。プロシアニジンについては、血流改善・代謝促進作用について評価・解析し、動物実験において交換神経系を介した作用機序を見出し、学術論文にて発表した。
ロスマリン酸やフラボノール類のついては、細胞膜透過や吸収の作用に関わる分子挙動をモデルタンパク質、消化酵素及び人工リン脂質膜等を用いて評価・解析し、得られた知見を学会にて発表した。
様々な生理機能の作用機序の一端がが明らかになる中で、実際に渋味物質が作用して機能性を媒介する標的タンパク質を探索するための方法論の開発を進め、新たに2つの標的タンパク質の精製技術を開発し、複数の国内学会にて発表した。
茶ポリフェノールを含むパンを作製し、物性変化やポリフェノールの変化量を評価・解析することで、小麦や乳に含まれるタンパク質が渋味物質の生体成分に対する分子挙動に及ぼす影響について新たな知見を見出した。食用油脂が茶ポリフェノールやフラボノールの生体成分に対する分子挙動に及ぼす影響について評価・解析した。

現在までの達成度 (区分)
現在までの達成度 (区分)

2: おおむね順調に進展している

理由

渋味物質による生理機能の作用機序については、これまでに脂質吸収阻害(消化酵素阻害、コレステロール吸収阻害)、抗肥満(食欲抑制ホルモン分泌作用、代謝促進作用)、血流改善に関する作用機序(シグナル伝達機構や活性阻害様式)を明らかにし、論文発表や学会発表に加え特許出願を進めており、順調に進展していると判断している。作用機序の解明に向けて標的タンパク質の探索が重要となるが、標的探索に資するポリフェノール標的タンパク質の精製技術の開発に成功しており、さらなる進展が期待できると考えている。

今後の研究の推進方策

最終年度となるため、渋味物質による生理機能の機構解明に向けて、開発したポリフェノール標的タンパク質の精製技術を活用し、ポリフェノール標的タンパク質の探索研究を展開する。
渋味物質が複雑なマトリックスを持つ食品として摂取される状況を念頭に置き「渋味と物性」の「食素材の食べ合わせ」の観点から渋味物質の分子挙動や生理機能に及ぼす影響を分析し、研究成果の実生活への応用法を模索する。

  • 研究成果

    (11件)

すべて 2019 2018 その他

すべて 雑誌論文 (2件) (うち査読あり 2件、 オープンアクセス 2件) 学会発表 (8件) (うち招待講演 1件) 備考 (1件)

  • [雑誌論文] Comparison of the sympathetic stimulatory abilities of B-type procyanidins based on induction of uncoupling protein-1 in brown adipose tissue (BAT) and increased plasma catecholamine (CA) in mice2018

    • 著者名/発表者名
      Nakagawa Yuta、Ishimura Kana、Oya Satomi、Kamino Masaki、Fujii Yasuyuki、Nanba Fumio、Toda Toshiya、Ishii Takeshi、Adachi Takahiro、Suhara Yoshitomo、Osakabe Naomi
    • 雑誌名

      PLOS ONE

      巻: 13 ページ: e0201203

    • DOI

      10.1371/journal.pone.0201203

    • 査読あり / オープンアクセス
  • [雑誌論文] Binding of Catechins to Staphylococcal Enterotoxin A2018

    • 著者名/発表者名
      Shimamura Yuko、Utsumi Mio、Hirai Chikako、Nakano Shogo、Ito Sohei、Tsuji Ai、Ishii Takeshi、Hosoya Takahiro、Kan Toshiyuki、Ohashi Norio、Masuda Shuichi
    • 雑誌名

      Molecules

      巻: 23 ページ: 1125

    • DOI

      10.3390/molecules23051125

    • 査読あり / オープンアクセス
  • [学会発表] 脂溶性成分の人工膜透過性試験(PAMPA)における植物油中のリン脂質含有量の影響2019

    • 著者名/発表者名
      坂本裕香、石井剛志
    • 学会等名
      第20回静岡ライフサイエンスシンポジウム
  • [学会発表] ポリフェノール標的蛋白質の探索に資する新規精製技術の開発2019

    • 著者名/発表者名
      タンキンイ、赤川貢、芦田均、石井剛志
    • 学会等名
      第20回静岡ライフサイエンスシンポジウム
  • [学会発表] PVPPを用いるカテキン標的蛋白質の新規精製技術の開発2019

    • 著者名/発表者名
      タンキンイ、赤川貢、芦田均、石井剛志
    • 学会等名
      第34回茶学術研究会
  • [学会発表] 抱合体の違いによる胆汁酸輸送機構の解明2019

    • 著者名/発表者名
      宮脇里奈、石川和樹、石井剛志、小林 彰子
    • 学会等名
      日本農芸化学会2019年度大会
  • [学会発表] :(-)-Epigallocatechin-3-O-gallateの胃粘膜細胞に対するレプチン分泌刺激作用の機構解析2019

    • 著者名/発表者名
      佐々木知里、太田裕基、石井剛志、向井克之、松山彰収、赤川 貢
    • 学会等名
      日本農芸化学会2019年度大会
  • [学会発表] フェニルホウ酸誘導体との親和性を利用したフラボノール標的タンパク質の網羅的分析法の開発2018

    • 著者名/発表者名
      中川侑紀、石井剛志、芦田 均、赤川 貢
    • 学会等名
      第23回日本フードファクター学会学術集会・第12回日本ポリフェノール学会学術集会・第15回日本カテキン学会年次学術集会合同学術集会
  • [学会発表] 生体成分との親和性に関与するロスマリン酸の構造特性2018

    • 著者名/発表者名
      前迫一輝、小林彰子、石井剛志
    • 学会等名
      第23回日本フードファクター学会学術集会・第12回日本ポリフェノール学会学術集会・第15回日本カテキン学会年次学術集会合同学術集会
  • [学会発表] :茶ポリフェノールの渋味とその生理的意義2018

    • 著者名/発表者名
      石井剛志
    • 学会等名
      第23回日本フードファクター学会学術集会・第12回日本ポリフェノール学会学術集会・第15回日本カテキン学会年次学術集会合同学術集会
    • 招待講演
  • [備考] 神戸学院大学食品機能学部門HP

    • URL

      http://www.nutr.kobegakuin.ac.jp/~foodsci/

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公開日: 2019-12-27  

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