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2017 年度 実績報告書

マウス加齢性難聴をモデルとした食品成分による老化予防原理の解明

研究課題

研究課題/領域番号 16H03043
研究機関国立研究開発法人農業・食品産業技術総合研究機構

研究代表者

大池 秀明  国立研究開発法人農業・食品産業技術総合研究機構, 食品研究部門, 主任研究員 (30455307)

研究期間 (年度) 2016-04-01 – 2020-03-31
キーワード老化 / 加齢性難聴 / マウス / 食品
研究実績の概要

昨年度までの研究により、マウスを固形飼料と粉末飼料で飼育した場合、加齢性難聴の進行度が異なることを見出した。本年度は、まず加齢性難聴の進行に影響を与える因子を洗い出すだめ、固形飼料を数段階に破砕した飼料による影響、および、固形飼料をケージ上部の金網に置いた場合と粉末飼料と同様にケージ内の餌瓶に入れた場合の相違いについて比較検討を行った。その結果、前年度の結果と同様に、粉末飼料と固形飼料において加齢性難聴の進行度の違いが確認されたが、あらかじめ固形粒が残る大きさで砕いた飼料は、固形粒の大きさによらず、固形飼料と同等の結果となった。このことから、餌を齧り取る動作よりも、餌を咀嚼して噛み砕く動作の影響が大きいものと推察された。一方、マウスのケージ上部とケージ内の固形飼料においても、加齢性難聴の進行度が異なる結果が得られた。マウスがケージ上部の飼料を食べる際には、顔を上向きにして長時間齧る動作を行っていることから、頭部の血流が悪化する等して加齢性難聴の進行度に影響を及ぼした可能性が考えられた一方で、ケージ内部の餌瓶に置いた固形飼料については、尿や唾液の付着等によって湿気を含み、飼料の硬度が低下したことも考えられた。以前、通常固形飼料と高脂肪の固形飼料によって加齢性難聴の進行度に差が出ることを確認しているが、高脂肪飼料は硬度が低いことから、それについても飼料の硬度が影響した可能性が考えられた。そこで、本年度、粉末状の通常飼料と高脂肪飼料について同様の試験を実施したところ、粉末飼料においても、加齢性難聴の進行度が異なることが明らかとなった。以上の結果から、これらの加齢性難聴の進行には、複数の因子が関与していると考えられ、少なくとも、餌の形状、餌の置き場、餌の組成が関わることが明らかとなった。

現在までの達成度 (区分)
現在までの達成度 (区分)

2: おおむね順調に進展している

理由

加齢性難聴の進行度に影響を与える因子が複数明らかになってきており、今後の分子メカニズム解明に向けた手がかりが順調に得られているため。

今後の研究の推進方策

加齢性難聴の進行度に影響を与えるそれぞれの因子を組み合わせることで、同じ経路を介しているのか、違う経路を介しているのかを明らかにすることで、メカニズムの解明につなげる。また、その応用として、それぞれの経路を予防する方法論の探索と、複数の異なるアプローチの相加・相乗効果について検討する。将来的には、ヒトにおける加齢性難聴予防食品の開発につながる技術基盤となることを目指している。

  • 研究成果

    (2件)

すべて 2017 その他

すべて 雑誌論文 (1件) 備考 (1件)

  • [雑誌論文] Anti-Aging Foods for Super Aging Society2017

    • 著者名/発表者名
      Hideaki Oike
    • 雑誌名

      FFI Journal

      巻: 222 ページ: 299-305

  • [備考]

    • URL

      http://www.naro.affrc.go.jp/nfri-neo/introduction/chart/0203/hideaki_oike.html

URL: 

公開日: 2018-12-17  

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