研究課題/領域番号 |
16H03044
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研究機関 | 国立研究開発法人医薬基盤・健康・栄養研究所 |
研究代表者 |
高田 和子 国立研究開発法人医薬基盤・健康・栄養研究所, 国立健康・栄養研究所 栄養疫学・食育研究部, 室長 (80202951)
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研究分担者 |
松浦 知和 東京慈恵会医科大学, 医学部, 教授 (30199749)
清水 俊夫 公益財団法人東京都医学総合研究所, 運動・感覚システム研究分野, 研究員 (50466207)
岩崎 信明 茨城県立医療大学, 保健医療学部, 教授 (70251006)
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研究期間 (年度) |
2016-04-01 – 2020-03-31
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キーワード | 安定同位体 / エネルギー消費量 / 筋肉量 / 姿勢判別 |
研究実績の概要 |
エネルギー消費量は安静時代謝量と活動量により左右され、安静時代謝量は除脂肪量の影響を大きく受ける。しかし、神経筋疾患患者や虚弱高齢者では、除脂肪量中の筋肉量の減少が大きく、通常の2成分モデルにより評価した除脂肪量と安静時代謝量の関係を検討しにくい。本研究では、クレアチン安定同位体を使用して筋肉量を評価する方法について日本人向けのプロトコールの開発と国内での分析の整備、角度計による日本人向けの姿勢判別方法の整備を行い、患者や高齢者における二重標識水法によるエネルギー消費量を測定し、筋肉量の変化及び行動内容との関係を明確にすることを目的としている。 1.クレアチン安定同位体を使用した筋肉量評価については、採尿時間や食事の影響を検討するための予備投与が終了した。現在、サンプルの分析中であるが、分析の精度管理に時間を要している。この解析結果をもとに日本人の食事条件に適して、負担の少ないプロトコールを開発する。 2.虚弱高齢者を対象とした介護者による活動量把握のための質問紙の検討が終了し、論文投稿中である。加速度計及び角度計による姿勢判別については、虚弱高齢者や患者特有の動作についてのデータの収集が終了し、姿勢判別精度に関する解析中である。尿サンプルと血液サンプルを使用した場合の違いについては、2017年5月のAsian and Oceanian Congress of Child Neurologyで発表し、論文作成中である。 3.当初は、クレアチンによる筋肉量評価方法が確立した後に姿勢判別を含めて、エネルギー消費量測定の予定であったが、筋肉量評価方法の確立に時間を要している。そのため、筋肉量評価方法のプロトコール確立を待たずに、研究代表者及び研究分担者の施設での倫理審査を開始した。倫理審査が終了した施設においては、虚弱高齢者と患者のエネルギー消費量の測定を開始した。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
クレアチン安定同位体を使用した筋肉量評価については、サンプルの分析精度の確立に時間を要しているが、クレアチン安定同位体による筋肉量評価は国内では初の試みであるため、分析が順調に進まない可能性は当初より予測された。その他の質問紙の検討、加速度計、角度計による姿勢判別、尿サンプルと血液サンプルの比較は順調に準備が進んだ。倫理審査も終了し、虚弱高齢者及び患者の測定を開始したので、おおむね順調と判断した。
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今後の研究の推進方策 |
この後の2年間において、高齢者と患者のエネルギー消費量の測定を進め、少なくとも1日の活動内容(姿勢別時間)とエネルギー消費量の関係は明らかにする。クレアチン安定同位体による筋肉量評価方法については、この研究期間内には、分析方法も確立し、日本人における評価が可能なようにする。
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