研究課題/領域番号 |
16H03047
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研究機関 | 琉球大学 |
研究代表者 |
等々力 英美 琉球大学, 熱帯生物圏研究センター, 協力研究員 (60175479)
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研究分担者 |
高倉 実 琉球大学, 医学部, 教授 (70163186)
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研究期間 (年度) |
2016-04-01 – 2020-03-31
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キーワード | 食育介入研究 / 家庭 / 行動変容 / 層別無作為割付比較試験 / 沖縄 / 食育教材 / 健康と食育授業 / 子供から親への働きかけ |
研究実績の概要 |
(1)平成29年度は、那覇市全小学校36校のうち20校、児童数1600名(4,5年生)と、参加同意をした保護者を対象に介入研究を実施した。研究デザイン:クロスオーバー層別無作為割付比較試験による介入研究(1年間)。 (2)平成28年度から継続して、家庭内で行う副教材(「食育がんばりファイル」)の開発を行った。この副教材は、家庭学習として栄養に関する小問題を、生徒・児童に宿題として提供し、親が児童に説明することが可能な説明文が添付されており、栄養知識の取得と親子間対話を促進する内容になっている。学校においては副教材の配布と回収を依頼して、可能な限り負担の少ない介入内容とした。食育が正規教科科目にはないのが現状であり学校現場では、食育の授業時間の確保が容易ではない。短時間において可能な食育教材の開発を行った。すなわち、給食時間や朝の時間などで、新規開発の視覚教材を活用し、栄養教諭が担任教諭とともに授業を行うことが可能となった。 (3)沖縄の現状に鑑み食育授業の内容は、生活習慣病に関連する栄養素と、健康(疾病)との関連性に焦点を絞った内容にした。1.ビタミン 2.カルシウム 3.食塩 4.食物繊維 5.エネルギーの5項目を実施した。さらにステップアップクイズとして、歯科および食リテラシーに関連させた問題4回分も加えた。 (4)現在、集計中であるが5回の食育授業がすべて実施できた小学校は90%以上であった。ベースライン調査、中間調査を実施、後期介入校に前期と同様の介入を行い、1年後に3回目の調査を実施した。介入前、6か月、1年後の3回にわたり、同一の内容の食事知識に関する小テストを行った。介入前後の正答率の比較を解析中である。また、食事調査(BDHQ)および食行動に関する調査も同時に実施した。保護者においても、同様の調査を実施した。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
当初の予定の対象学校1校において、担当栄養士と食育主任の教諭が病欠となったが、保護者と教育委員会の協力が得られており、研究遂行上の大きな問題は生じていない。
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今後の研究の推進方策 |
(1)すでに得られた栄養知識質問票、栄養摂取調査票、生活習慣質問票を集計し、栄養知識と栄養調査結果から、両者の関連性について、さまざまな交絡因子を考慮した解析を行う。 (2)上記集団の栄養摂取調査結果と、学校検診データから得られた健康指標として肥満度およびう歯との関連性を定量的に評価する。 (3)対象に教科カリキュラムに関連させた内容の食育プログラムによる無作為化割付試験の結果から、カリキュラムの有効性を確かめるとともに、栄養知識と栄養摂取、栄養摂取と健康指標の因果関係を明らかにする。
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備考 |
沖縄の島野菜や伝統食品を使った食育研究を紹介。
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