研究課題/領域番号 |
16H03054
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研究機関 | 東京学芸大学 |
研究代表者 |
西村 圭一 東京学芸大学, 教育学部, 教授 (30549358)
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研究分担者 |
長尾 篤志 国立教育政策研究所, その他部局等, 教育課程調査官 (00353392)
青山 和裕 愛知教育大学, 教育学部, 准教授 (10400657)
松嵜 昭雄 埼玉大学, 教育学部, 准教授 (10533292)
椿 広計 統計数理研究所, 大学共同利用機関等の部局等, 名誉教授 (30155436)
島田 功 日本体育大学, 児童スポーツ教育学部, 教授 (30709671)
山口 武志 鹿児島大学, 法文教育学域教育学系, 教授 (60239895)
久保 良宏 北海道教育大学, 教育学部, 教授 (80344539)
清水 宏幸 山梨大学, 大学院総合研究部, 准教授 (80562446)
松島 充 香川大学, 教育学部, 准教授 (70804128)
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研究期間 (年度) |
2016-04-01 – 2020-03-31
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キーワード | 初中等教育(算数・数学、理科、情報) / 数理科学教育 / 設計科学 / 意思決定 |
研究実績の概要 |
本研究は,目的や価値に向き合い“あるべきものを探求する”「設計科学」の視座から学校教育の対象となる数理科学の内容と方法を同定し,それを学習領域として位置づけ,教材開発とそのカリキュラム化,授業・評価モデル,教師教育プログラムの開発を実証的に行うことを目的とする研究である。 二年次である平成29年度は,研究分担者,連携研究者に加え,小・中・高等学校の教諭や指導主事等,総勢51名からなる研究組織で,理念班,内容・方法班,教材・授業班(小学校WG,中学校WG,高等学校WG)に分かれて研究を進めた。 理念班は,本研究が目指す数理科学教育の目標,方法・手法,内容,評価に関する主要な特徴を整理し,「数理科学教育の基本的な枠組み」と,数理科学的意思決定の過程をふまえた「数理科学的意思決定に関する基本的な授業過程」を提起した。また,価値,価値観,価値命題について考察し,授業を進めていく上で配慮しなければならない価値観の特性,及び,プラグマティズムが今日の認識科学と設計科学の融合に影響を与えていることを明らかにし,本研究の基本的枠組みや授業過程における対話の意義について明確化した。内容・方法班は,一年次にリストアップしたデータ分析,OR理論,品質管理,グラフ理論に関する文献を分担して分析し,学校教育の対象とする価値があり,かつ,なりうる内容や方法を明確化した。教材開発班,授業・評価モデル班は,学校種別のWGに分かれ,数時間で扱うケーススタディ型の教材の開発を行った。さらに,英国の新しい大学入学資格試験科目であるCore Maths.について現地調査を実施するとともに,英国の数学教育改良プロジェクトBowland Maths.とともに,意思決定に関わる教材のスタータキットを作成した。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
「数理科学教育の基本的な枠組み」と,数理科学的意思決定の過程をふまえた「数理科学的意思決定に関する基本的な授業過程」を構築するとともに,これらの枠組みが,価値観と対話という視座から,設計科学と認識科学という二つの科学の融合のための枠組みとして機能していることが明確になった。ケーススタディ型の教材の開発も校種別に概ね順調に進んでいる。
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今後の研究の推進方策 |
二年次までの成果を,日本数学教育学会春期大会(6月)で発表する。また,二年次の成果に基づき,教材,授業,評価モデルの開発をさらに進めるとともに,欧州,特に英国の数学教育プロジェクトにおける教師教育モジュールを分析し,「設計科学」を視座とする数理科学教育の実践のための教師教育プログラムの枠組みを構築する。
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