研究課題/領域番号 |
16H03065
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研究機関 | 大阪府立大学 |
研究代表者 |
川添 充 大阪府立大学, 高等教育推進機構, 教授 (10295735)
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研究分担者 |
落合 洋文 名古屋文理大学, 情報メディア学部, 教授 (00183773)
西 誠 金沢工業大学, 基礎教育部, 教授 (00189250)
小松川 浩 千歳科学技術大学, 理工学部, 教授 (10305956)
水町 龍一 湘南工科大学, 工学部, 准教授 (50157517)
高木 悟 工学院大学, 基礎・教養教育部門(公私立大学の部局等), 准教授 (50367017)
羽田野 袈裟義 山口大学, 創成科学研究科, 教授 (70112307)
五島 譲司 新潟大学, 教育・学生支援機構, 准教授 (90360205)
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研究期間 (年度) |
2016-04-01 – 2019-03-31
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キーワード | 数学教育 / 高等教育 / 数学的リテラシー |
研究実績の概要 |
高水準の数学的リテラシー教育の概念にもとづく数学教育のデザインにおいては学習の文脈が重要であるとの共通認識に到達し、理系部門、文系部門それぞれにおいて、文脈ベースのコースデザイン・授業デザインの研究を進めた。理系部門では、微積分学、線形代数の2科目において、コース全体を貫く一貫した文脈設定に基づいた教材作成の基本方針を作成し、テキスト作りにとりかかった。微積分学では、数学外の文脈での題材集が部分的にであるが出来上がった。線形代数では一次独立やランクの概念を習得する一貫した文脈を定め、半期分のテキストを作成した。文系部門では、文系学生が数学を学ぶ重要性の分析からはじめ、文系向けの数学教育のデザインを検討するための基盤となる認識論的分析を行い、文系学生対象の数学教育についての行為・目的ベースの認識論的フレームワークを作成した。文系部門での認識論的分析では、Chevallardのいう数学的知識の「存在理由」が伝わる教育を意識しつつ、PISAの評価の枠組みで用いられている数学的リテラシーの構成要素の分析や、国内の先行研究で得られている数学的リテラシーや数学力の構成要素の分析結果を参考に、高水準の数学的リテラシーを捉えるための認識論的枠組みの開発とそのもとでの構成要素の分析を行った。また、理系・文系の両方に関わるものとして、統計学についての内容分析を行い、高水準の数学的リテラシー概念下での統計教育の内容・コースデザインについて検討した。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
高水準の数学的リテラシー教育についての方向性を定めることができ、これに基づいて、理系・文系それぞれの教育デザインの枠組みを構築し、具体的な教材分析・教材開発の段階に進むことができたため。
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今後の研究の推進方策 |
理系部門では、微積分学、線形代数のテキスト作成のための会合を年4回程度実施し、テキストを完成させる。文系部門では、平成28年度に作成した認識論的フレームワークの検討と既存の授業分析と新たな授業開発および評価の枠組みの検討のための会合を年4回程度実施し、認識論的フレームワークの精緻化と授業デザインおよび評価の枠組みを作成する。
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