研究課題/領域番号 |
16H03072
|
研究機関 | 東京学芸大学 |
研究代表者 |
小林 巌 東京学芸大学, 教育実践研究支援センター, 准教授 (90305300)
|
研究期間 (年度) |
2016-04-01 – 2019-03-31
|
キーワード | 教育工学 / ユーザインタフェース / 重度重複障害 / 認知発達 |
研究実績の概要 |
本研究は、重度重複障害児(者)の視覚認知発達支援のため、アイトラッカー(視線計測装置)を用いたナチュラルユーザインタフェース(NUI)主体の情報システムの活用について検討し、教育の場での検証を行うことを目的としている。主に、ユーザの評価に関する教育心理学的検討と、システムの構成とプログラムに関する教育工学的検討の2点が具体的な課題事項である。本年度は研究初年度であり、以下のような内容に関する検討を行った。 1)ユーザの評価に関する教育心理学的検討 事前事後アセスメントの手法の検討として、システムの活用評価との関連から、従来用いられている評価手法を整理した。特に、NUI活用の評価手法として、生理的指標の導入についても計画していたため、近赤外光による脳機能計測について検討するとともに、研究協力機関の関係者との協議において、測定方法に関する検討や留意点の確認等を行った。 2)システムの構成とプログラムに関する教育工学的検討 既存のアイトラッカーを活用した教育的支援のシステムを整理したうえで、本研究で目的とするシステムの要求仕様についての整理を行った。近年、ローコストのアイトラッカーを用いた障害者支援システムが一部の教育関係者の注目を集めているが、視覚認知発達支援の見地から取り組みが容易な教材パッケージの作成ができれば便利である。一方で、より精度の高いハードウェアを活用した教材に関する検討も必要と考えられる。これらの検討を中心に、システムの機能についての整理を行った。
|
現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
ユーザの評価に関する検討、およびシステムの構成とプログラムに関する検討のどちらも予定通りに検討が行われ、平成29年度以降に予定している研究の準備が実施できた。ユーザの評価に関する検討においては、当初の想定より多くの関係機関の協力が得られている。
|
今後の研究の推進方策 |
ユーザの評価に関する検討では、実際にアセスメントを実施するとともに、システム活用における測定・分析手法について詳しく検討する。システムの構成とプログラムに関する検討では、ローコストの教材パッケージの作成や、より精度の高いハードウェアを活用した教材に関する検討を実施する。
|