研究課題/領域番号 |
16H03073
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研究機関 | 信州大学 |
研究代表者 |
島田 英昭 信州大学, 学術研究院教育学系, 准教授 (20467195)
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研究分担者 |
水口 崇 信州大学, 学術研究院教育学系, 准教授 (60412946)
村松 浩幸 信州大学, 学術研究院教育学系, 教授 (80378281)
島田 和典 大分大学, 教育学部, 准教授 (50465861)
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研究期間 (年度) |
2016-04-01 – 2020-03-31
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キーワード | 教育系心理学 / 共感 / eラーニング |
研究実績の概要 |
新たにアイトラッカー(Tobii X3-120)を購入し、アイトラッキング環境を整えた。アルバイトを雇用してアイトラッカーの調整と計測マニュアルの作成を行い、実験データを得られる環境を整えた。この環境で本年度は4実験実施したが、そのうち1実験で発表に値する成果が得られ、1実験は分析中である。そのうち、発表研究の内容は以下の通りである。4分で閲覧できるeラーニング教材を作成し、教授者映像を、映像条件、写真条件、教授者なし条件の3条件を設定し、教授者映像、スライドのどちらを見るか、視線を計測した。自然な環境における視聴を求めた結果、映像条件において、教授者映像を23%程度見ることが明らかになった。この結果は、国際会議において発表する予定である。また、非発表研究の内容は、教授者映像が笑顔の場合とそうではない場合で視線が異なるかどうか、教授者映像の有無とサイズが視線と感性的評価に与える影響について検討した。さらに、分析中の研究の内容は、ボール盤と高速切断機を事例として注意喚起映像を作成し、視線の計測を行った。 共感と理解度の関係について、これまでの得られていたデータに追加する形でデータを取得し、共感と理解度の関係をはっきりと示すことができた。 eラーニングと教育の関係について、広くICT活用教育と学習の観点から、レビューを行った。成果は「児童心理学の進歩」誌において公開予定である。 研究実施環境として、指尖容積脈波計を導入し、リアルタイムに共感の状態を評価できるように、計測環境の整備中である。また、本研究に関する文献調査を行い、その一部は「児童心理学の進歩Vol.56」において出版予定である。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
計画通りアイトラッキングの環境を整えることができた。また、その環境において、4種の実験を行うことができた。実験の数としては想定以上に進捗したが、挑戦的な実験については好ましい結果が得られなかった。その中でも、1実験で発表に値する結果が得られた。結果的に、想定通りの進捗状況と考えられる。 また、指尖容積脈波計を導入したこと、文献調査の一部を出版できたことは、当初想定していなかったが、想定以上に進捗した点である。一方で、eラーニング教材の共感と理解度を関係させる実験を実施する予定であったが、想定以上のサンプルサイズが必要であることが判明したため、従来研究を進めるに留まり、この点についてはやや進捗が遅れている。現在ウェブ実験等で実施することを検討中である。 以上から、当初以上に進捗した点、進捗しなかった点を総合的に考慮すると、順調に進展していると考えられる。
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今後の研究の推進方策 |
アイトラッキングを用いた実験については、予定通り進んでいる。実施済みの実験をベースとして、いくつかの変数を操作して実験を実施する予定である。 また、eラーニング教材の共感と理解度については、想定以上にサンプルサイズが必要であることが判明したため、サンプルサイズを確保できるウェブ実験を予定している。 成果の公表については、予定通り国内・海外の学会等で行う。
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