研究課題
本年度では、社会共有調整学習のモデル構築に向けたデータを平成28年度に収集したデータに加え、自己学習に関するデータも追加で収集・分析をし、システムデザインと開発を行った。具体的にはグループ学習や個人学習の状況における自己の学習に関する意識、つまり自己調整学習、先延ばし行動と学習内容理解との関係性分析を行った。その結果、自己調整学習と学習内容の理解に正の相関ががあることが示され、先延ばし行動とは負の相関があることが示された。他にもレポート課題提出時間についても、先延ばし行動とは負の相関があることが示され、日常的な課題提出時間と自己調整学習意識の間に正の相関が見られた。また学習支援システム上に蓄積されているデジタル教材による個人学習の活動状況も含めて分析も行った結果、授業外学習の活動が自己調整学習意識や内容理解に影響を与えることがわかった。具体的には、学習活動でも教材を前にめくるだけではなく、ズームして閲覧する活動、デバイスの向きを変えてコンテンツを見る行動など、情報処理を緩やかにする行動と正の相関があることが示された。この結果を踏まえ、協調学習における作業の分業状態を可視化するガントチャート機能を開発し、ユーザービリティ評価を行った。その結果、自分のタスクと他者のタスク進捗状況を把握し、自分が決めた期限よりも早く作業を終わらせる、進捗のプレッシャーを感じるなどの効果があることが示された。
3: やや遅れている
研究分担者、協力者の不測の病気となり、分担者が担当する追加データの収集を代理で行う者を補填できず、データ収集実施時期を延期したため
データ収集と分析については2ヶ月遅らせることでリカバリーした。データ分析については研究協力者を募り、分析を行っていく。それとは平行して、平成30年度計画を実施する。
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すべて 雑誌論文 (2件) (うち査読あり 2件、 オープンアクセス 2件) 学会発表 (4件) (うち国際学会 3件)
健康教育と防災教育をつなぐヘルスリテラシー教育デザインとその効果
巻: 41(4) ページ: 461-475
日本教育工学会論文誌
巻: 41(3) ページ: 189-197