研究分担者 |
峯松 信明 東京大学, 大学院工学系研究科(工学部), 教授 (90273333)
染谷 泰正 関西大学, 外国語学部, 教授 (40348454)
川村 明美 東京国際大学, 言語コミュニケーション学部, 教授 (30326996)
西川 惠 東海大学, 外国語教育研究センター, 准教授 (10453705)
Husky Kay 東京国際大学, 商学部, 准教授 (50237955)
|
研究実績の概要 |
シャドーイングは,外国語の聴解力や口頭再生力を高め,言語処理を高速化させられる有効な練習法の一つだが,手動評価は時間と手間がかかって教員の負担になり平常授業への組入れが難しかった。 コンピュータに自動評価させることで,人工知能に従来では不可だった認識や推論をさせられるdeep learningをシャドーイング自動評価技術に取り入れることで,評価精度がどの熟達度グループでどれだけ高まるのか実証的に明らかにした。 10文から構成される英文パッセージを,熟達度の異なる日本人英語学習者120名に4回シャドーイング録音してもらった。学習者が英文パッセージに慣れて,各学習者のパフォーマンスがよりよく現れると考えられる4回目のシャドーイング音声を対象に,手動評価と自動評価を実施した。手動評価では,英語教員が120名のシャドーイング音声を繰り返し聞き,(1) 発音 (2) 韻律 (3) 心的辞書との結びつきという3つの観点から5尺度法で採点した。自動評価では従来のHMM (Hidden Markov Model)を使った従来の音響モデルに基づくGOP得点のほかに,deep learningによるアルゴリズムを使った新しいGOP得点も算出できるようにした。 新しい自動評価得点と手動評価得点の相関係数(r=.815)は,従来の自動評価得点と手動評価得点の相関係数(r=.489)よりも1%の有意水準で高いものとなった。さらに,TOEIC得点に基づく上位,中位,下位の3群に分けた場合の新しい自動評価得点と手動評価得点の相関係数は、各々がr=.795, r=.> 810, r=.797 (p<.01)となり,新しい自動評価法は,熟達度に関係なく評価精度を向上できることがわかりdeep learningがシャドーイング自動評価にも有効なことが明らかとなった。
|