研究課題/領域番号 |
16H03088
|
研究機関 | 大阪医科大学 |
研究代表者 |
西薗 貞子 大阪医科大学, 看護学部, 講師 (50458014)
|
研究分担者 |
溝上 慎一 京都大学, 高等教育研究開発推進センター, 教授 (00283656)
箕浦 洋子 兵庫県立大学, 看護学部, 教授 (20650071)
江川 隆子 関西看護医療大学, 看護学部, 教授 (40193990)
青山 美智代 奈良県立医科大学, 医学部, 講師 (80264828)
大西 弘高 東京大学, 大学院医学系研究科(医学部), 講師 (90401314)
|
研究期間 (年度) |
2016-04-01 – 2019-03-31
|
キーワード | プロフェッショナルコンピテンシー・リテラシー / 看護師能力 / 評価指標 / 思考力 / 行動力 / IBL |
研究実績の概要 |
社会の要請に応えられる資質の高い専門職の育成,看護教育の更なる質向上にむけて,教育者-学習者が共に活用できる評価指標が重要と捉え,個人の能力育成効果を総合的に多面的に客観的に確認できる評価指標開発に取り組んでいる。 平成28年度は,看護師に求められるプロフェッショナル コンピテンシーの明確化(課題1)と看護師に求められるプロフェッショナル(以下,看護プロフェッショナル)な能力の評価指標試行版作成(課題2)に取り組んだ。課題1では,①管理職(看護部長等)へのインタビュー調査によって,「どのような資質を持った人材を求めているか」を情報収集し,②現場看護師へのインタビュー調査によって,日常の場面で,困難な業務内容および成果に繋がったエピソードを情報収集し,求められる能力要素,活用する能力要素について整理・体系化を行った。 課題2については,①看護師として求められるプロフェッショナルな思考力を測定する看護リテラシー(思考力)アセスメントテストの試行版と②プロフェッショナルな看護師の行動特性を可視化するため看護コンピテンシー(行動力)アセスメントテストの試作版の開発に取り組んだ。 ①については,看護現場で行われている患者支援の個別事例について,病院で実地調査を行い,看護師としての思考力活用の特徴を分析し,プロフェッショナルな思考力を測定する問題作成に取り組んだ。②については,現役の看護師2,000名を対象に,仕事で直面する様々な場面での行動傾向を問う質問票を用いて,アンケート調査を実施し,分析・開発を行った。(アセスメントテスト試行版完成)
|
現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
上記(実績欄記入)のとおり,当初の計画通り,概ね順調に進んでいる。看護師として求められるプロフェッショナルな思考力を測定する問題作成のための,看護現場での個別事例については,引き続き情報収集し,問題の精度をあげて行く予定である。この現場事例を用いた問題は日常のIBL(Inquiry Based Learning)教育でも活用している。
|
今後の研究の推進方策 |
28年度に作成したアセスメントテスト(試行版)の検証と改善を行う。 開発したアセスメントテスト(試行版)を,様々な現職看護師(役職者や若手等)や学生(看護学専攻の学生,学年別,IBL教育受講有無 等)を対象に実施する。 上記の結果を属性別・尺度別・項目別に集計,各種分析を行い,信頼性・妥当性を検証する。 さらに,検証結果より,不適切な問題・項目の修正・削除,採点方法・評価基準の見直し等を行い,アセスメントテスト(試行版)を改善し,アセスメントテストを完成する。 さらに,アセスメントテストを用い,現行IBLの看護プロフェッショナル能力の育成効果を可視化する。また,評価結果に基づきプログラム改善に取り組むと共に、個人に結果をフィードバックし,思考力や行動力の強みや課題を意識させることで学生の自己成長力を引き出すなど,IBL教育を進化させる。
|