研究課題
これまでに取得してきた救急医療における会話のデータと動線のデータを分析する手法を明らかにした。まず初めに、指導医、研修医、看護師の会話の始めと動きの始めの時間を取得し、①会話によって会話が誘発される行為、②会話によって行動が誘発される行為、③行動によって行動が誘発される行為の回数を比較し、医療者の役割や救急医療の経験日数が変わるとともにどのように変化するかを分析した。その結果として、主たる研修医は看護師・医師と同期して動いていることや、補助的な研修医は他の研修医の補助に回っていることが分かった。実映像からも,研修医同士で観察位置を変えるのみといった,無意味な追従・誘発行動が起きていることが確認できた。次に、上記の3つの行為の回数や、指示の会話を発話した回数、移動している時間などの指標を抽出し、それらの値を合成することで時間と共に成長するような指標を明らかにし、成長曲線モデルに当てはめる手法を提案した。成長曲線モデルにはTKLモデルを利用した。基本的にこのような医療に関するデータをたくさん取得するのは困難であり、会話は取れているが動線は取れていないなどのデータの欠損も多数発生している。そこで回帰代入法を用いて欠損データを補完する手法を提案した。提案手法を用いて実際の救急医療の現場で取得したデータを分析することによって、時間と共に成長するような曲線を描くことが可能なことや、どの変数が重要かを確認することができた。
平成30年度が最終年度であるため、記入しない。
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Discourse Studies
巻: 21 ページ: 159-179
10.1177/1461445618802652