研究課題/領域番号 |
16H03092
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研究機関 | 東京海洋大学 |
研究代表者 |
柿原 泰 東京海洋大学, 学術研究院, 准教授 (60345402)
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研究分担者 |
市川 浩 広島大学, 総合科学研究科, 教授 (00212994)
山内 知也 神戸大学, 海事科学研究科, 教授 (40211619)
林 衛 富山大学, 人間発達科学部, 准教授 (60432118)
中原 聖乃 中京大学, 社会科学研究所, 研究員 (00570053)
中尾 麻伊香 長崎大学, 原爆後障害医療研究所, 助教 (10749724)
高橋 博子 名古屋大学, 法学研究科, 研究員 (00364117)
藤岡 毅 大阪経済法科大学, 公私立大学の部局等, 客員教授 (60826981)
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研究期間 (年度) |
2016-04-01 – 2020-03-31
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キーワード | 放射線 / 科学史 / 健康影響 / UNSCEAR / 疫学 / 原発事故 / 被爆者 / 甲状腺がん |
研究実績の概要 |
本研究は、放射線影響をめぐる科学的な調査研究について、その形成と展開を歴史的に解明するとともに、それらが国際機関等の場でどのように評価され防護基準の策定にいかされたのかの経緯を解明することを目的とし、歴史と現状の両面から、科学史を軸に据えつつ学際的に研究を進めているものである。3年目である本年度は、本研究課題の研究班による全体研究会こそ当初計画していた2回より少ない、年度末の1回のみの開催にとどまったが、他のグループとの共催のものも含めて、以下のようなシンポジウム、ワークショップ等を企画・開催し、研究成果の発表を行なうことができた。 5月には日本科学史学会の第67回年会におけるシンポジウム「放射線影響評価の国際機関(UNSCEAR)の歴史と現在」を実施した。関連する内容の論文は、『科学』(岩波書店、2018年9月号)の特集「小児甲状腺がんとUNSCEAR」に掲載された。11月には京都で国際ワークショップ“Radiation Diplomacy: The History and the Present”を開催し、国内外の研究者による9本の研究発表が行なわれた。2月には京都で公開シンポジウム「放射線防護基準と放射線生物学――その歴史と現状」を開催し、第1部「放射線健康影響の科学と歴史」、第2部「原発事故被災者だから見える視点と法の役割」に関して、講演および議論をすることができた。 その他にも、市民科学研究室との共催で、市民講座「東電原発裁判から見えてきたこと――未公開だった検察資料を中心に」(講師:添田孝史氏)を開催し、日本公衆衛生学会第77回総会においては共同で「東電福島原発事故後の小児甲状腺がんに関する評価の問題点」に関するポスター発表を行なうなど、研究成果の発表を積極的に行なった。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
本研究課題の研究班による全体研究会は、年度内に1回しか開催できなかったが、国際ワークショップを京都で開催することができ、日本科学史学会の年会におけるシンポジウムを実施、また、京都で公開シンポジウムを開催することができたことなどから、おおむね順調に進展していると考えられる。
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今後の研究の推進方策 |
最終年度である2019年度には、本研究課題の研究成果をよりいっそう積極的に学会等で発表し、口頭発表したものは論文として公刊するように努めたい。日本科学史学会の年会におけるシンポジウム、日本平和学会の研究大会における分科会などが既に予定されている。最終年度であることから、総括的な全体研究会を開催する。
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