研究課題/領域番号 |
16H03114
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研究機関 | 信州大学 |
研究代表者 |
廣内 大助 信州大学, 学術研究院教育学系, 教授 (50424916)
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研究分担者 |
竹下 欣宏 信州大学, 学術研究院教育学系, 准教授 (00578271)
松多 信尚 岡山大学, 教育学研究科, 教授 (40578697)
杉戸 信彦 法政大学, 人間環境学部, 准教授 (50437076)
石山 達也 東京大学, 地震研究所, 助教 (90356452)
藤田 奈津子 国立研究開発法人日本原子力研究開発機構, バックエンド研究開発部門 東濃地科学センター, 技術・技能職 (50707396)
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研究期間 (年度) |
2016-04-01 – 2019-03-31
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キーワード | 活断層 / 神城断層 / 糸魚川ー静岡構造線 / 一回り小さな地震 / 固有地震説 / 2014年神城断層地震 / トレンチ掘削調査 / 古地震 |
研究実績の概要 |
平成29年度は28年度に引き続き2014年神城断層地震を引き起こした糸魚川ー静岡構造線北部の神城断層において、断層の過去の活動を明らかにすることを目的としたトレンチ掘削調査を実施した。平成29年度は2014年地震で活動した断層である一方、変動地形の分布が不明瞭でこれまで断層線の存在が明らかではなかったトレースにおいての調査を実施した。トレンチ調査では地層の変形や切断、被覆の状況から神城断層の最新活動や、一つ前の活動を含む少なくとも過去3~4回の活動を確認することができた。現状では年代測定数が少ないため断定はできないが、2014年より一つ前の地震は、1714年小谷地震では活動せず、およそ1000年前の地震である可能性が高い結果となった。平成28年度の調査結果や周辺で実施された他の調査機関のデータ、変動地形の離水年代のデータ等と合わせて、神城断層の過去数回の地震像を復元するための基礎データを取得することができたと考えている。平成30年度はさらに南の2014年非活動区間等において、過去にどのような活動があったのか明らかにし、断層帯全体の活動時期、変位量などを解明した上で、2014年地震を含めた断層活動のモデル構築をめざしていく。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
平成29年度におけるトレンチ掘削調査においても無事に断層を確認して、過去複数回の活動時期を読み取ることができたことが大きな成果である。またこれに加えて、周辺の変動地形を確認し、とくに断層帯南部においては、これまで報告のなかった横ずれ変位を伴う複数の断層線を新たに認定することができた。これによって平成30年度以降、神城断層南部区間での調査の幅が広がり、新たな断層モデルの検討ができるものと考えている。
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今後の研究の推進方策 |
平成30年度には平成29年度に新たに確認した神城断層南部区間における横ずれ変位を伴う断層線において、過去の活動時期や変位量を明らかにするトレンチ掘削調査を実施する予定である。また断層帯全域において、変動地形の確認、変位量の計測、年代測定を実施し、平成28年度、平成29年度の調査結果や2014年以降様々な調査機関によって行われた調査結果を総括して、神城断層やこれを含む糸魚川ー静岡構造線北部区間における過去の断層活動時期や変位量分布の解明、そこから導かれる断層活動の特性を解明し、2014年に発生したような、一回り小さな地震を含めた活断層の活動モデルの構築をめざしていく。
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