研究課題
2018年度は2014年地震で活動が認められなかった神城断層の南部区間における過去の活動履歴や活動性の解明を目的とした調査を実施した。空中写真判読と現地調査の結果、青木湖から木崎湖の区間で従来の糸静線活断層として認められていた断層の東側山中に、新たに左横ずれ変位を示す変動地形を見出した。これらは谷の左屈曲など柏木らによって指摘されていたが、一部西側が隆起する変動地形やバルジなどを新たに見出したものである。これら変動地形のおよその年代観を示した後、青木湖南岸地点と木崎湖北東部地点の2か所において、トレンチ掘削調査を実施した。青木湖南岸地域では、湖成層とその周辺層が大きく東へ傾く変形が認められ、これを傾斜不整合で覆う上位層も断層変位を受け、さらに上位の黒色腐植土層にのしあげる西側隆起の断層が認められた。湖成層は約20000年前の年代を示した。また変形を受ける黒色腐植土層の最下部からは、約4700年前の年代値が得られたことから、4700年前以降に数回の断層活動があったことが明らかとなった。一方木崎湖北東部地点では、砂礫層と厚い黒色土層がほぼ垂直の断層関係で接する露頭を見出した。壁面での花弁構造やトレンチ底面での変形構造から横ずれ変位を示すことがわかった。本地点は近年横ずれ変位が再確認された新しい断層トレースであり、糸静線北部での横ずれ変位を示す証拠を見出したことには、学術的にも大きな意味がある。現在さらなる年代測定をすすめており、詳細な活動時期を検討している。
平成30年度が最終年度であるため、記入しない。
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