研究課題/領域番号 |
16H03118
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研究機関 | 筑波大学 |
研究代表者 |
繁野 麻衣子 筑波大学, システム情報系, 教授 (40272687)
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研究分担者 |
八森 正泰 筑波大学, システム情報系, 准教授 (00344862)
安東 弘泰 筑波大学, システム情報系, 助教 (20553770)
佐野 良夫 筑波大学, システム情報系, 准教授 (20650261)
小林 佑輔 筑波大学, システム情報系, 准教授 (40581591)
吉瀬 章子 筑波大学, システム情報系, 教授 (50234472)
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研究期間 (年度) |
2016-04-01 – 2020-03-31
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キーワード | ネットワーク / 最適化理論 / アルゴリズム / 数理工学 |
研究実績の概要 |
ネットワーク上の時間軸をもった最適化問題に対する高速アルゴリズムの開発とその応用のために,個々の最適化問題の研究やネットワーク解析を行った. ネットワーク上のフローに対し流れる時間を考慮した動的流の一つである,与えられた流量を流し切る最短時間を求める最速流問題に対する強多項式時間アルゴリズムの構築をし公表できる形にまとめると同時に,フローの増加と減少の非対称な性質についても見直しを行った.次にネットワーク資源配分問題に対しては,光ネットワークにおいて要求を最大に収容するときの指標を求める厳密解法とヒューリスティック解法を提案し,実際のネットワークをモデルにしたグラフ上でそれら解法の精度を比較した.さらに,次世代光ネットワークとして注目されているエラスティックネットワーク上での通信路とスロット割当問題を静的なケースについて扱い,代表的なアルゴリズムの挙動を比較し,通信路の選択方法と需要の割当順序について検討をした.他に,ネットワーク上の問題としてネットワークのダイナミクスに関わる解析や需給ネットワーク分割問題に関する強多項式アルゴリズムの開発もおこなった. また,時間的要素の扱いに着目し,オンラインスケジューリングの一事例である調理工程スケジュールの作成や,アプリケーション使用履歴データを用いてアプリケーションの使用状況変化の特性を明らかにした.調理工程スケジューリングでは,将来の情報を利用することでよりよいスケジュールを得ることに成功しており,公表の準備段階にある.アプリケーション使用履歴データ分析においては,ライフサイクルを定義することで時間的特徴の抽出に成功した.
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
時間軸をもつネットワーク最適化の個別の問題に対する高速アルゴリズムの開発については,動的流問題については順調に進んでいるが,情報伝播モデルについては,その特徴付けが困難であった.一方で,オンラインの情報を扱うための基礎となるオンラインスケジューリングの事例としての調理工程スケジューリングでは,先の情報まで考慮することに成功しており,発表の準備をして概ね順調に進んでいるといえる.
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今後の研究の推進方策 |
今年度から継続して, 【1】時間実をもつネットワーク最適化の個別の問題に対する高速アルゴリズムの開発 【2】時間軸をもつネットワーク最適化問題の共通の性質を抽出し,アルゴリズム構築技術の枠組みの確立と最適化問題全般への一般化 【3】社会ネットワーク分析,ビックデータ解析への応用とそれら各分野で必要とする新たな最適化問題へのアプローチ の3つの側面から並行して研究を遂行する.今年度同様に,【1】の理論面【3】のデータ解析面に重点を置き,アルゴリズム開発と時間軸を扱う指針の構築を目指す.
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