研究課題
2016年度から2019年度までに,理論的分析をもとに,製品の生産のために必要なすべてのパテントを包含するようなパテントプールが自発的に形成されるメカニズムを設計した。本来ならば最終年度の2020年度に被験者を用いた対面による実験およびそれを基にした計算機実験を行い,メカニズムの有効性を検証するとともに,それを理論にフィードバックし,より実効性の高いメカニズムの構築を目指す予定であった。しかしながら,2020年度からの新型コロナの蔓延により対面による実験が不可能となり,繰越しせざるを得なかった。2021年度には,新たな機器の購入,新たなメンバーの補充を行ってオンラインによる実験での代替を試みたが,コロナ禍のため被験者が十分に集まらず十分な成果が得られなかった。2022年度に入ってコロナが下火になり夏以降ようやく対面による実験を本格的に実施することができた。本年度の実験により,以下の結果が得られた。(1)理論的には,すべてのパテントを包含するようなパテントプールがナッシュ均衡などにおいては形成されないが,先見的安定集合においては形成されるような提携形成プロセスにおいて,そのような提携が実験においても形成されたこと。(2)パテントの所有者が一人一人逐次的にプールへの参加不参加を決定する方が,同時に決定するよりもそのような提携は形成されやすいこと。(3)同じメンバーで提携形成を繰り返し行う方が,メンバーがその都度変わるよりもそのようなプールは形成されやすくなること。以上により,これまでに理論的に設計を進めてきたパテントプール形成のメカニズムの有効性が実験により確認できた。当初予定していた国際会議は開催できなかったが,研究代表者,分担者が,それぞれの所属する国内,国外のオンライン会議で以上の成果を発表し,出席者と理論,実装の両面における今後の研究の方向について議論を行った。
令和2年度が最終年度であるため、記入しない。
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