研究課題
荒天航海時の船速低下について、実船(ばら積み貨物船)にて観測された船体動揺、加速度、操舵、主機回転数、その他機関パラメーターの分析により南半球の三例について、詳細な分析を進めた。この結果、過去の研究にて指摘されいる自然減速と意識的減速の状況について、検証を行った。この結果、意識的減速に至る限界値としての船橋での鉛直加速度は従来に提案された閾値と実態が良好に一致している反面、横揺れ角度や水平方向の加速度は従来の閾値を超えた状況でも顕著な減速は発生していないこと、非線形現象である海水打ち込みやプロペラレーシングが発生するタイミングにて回転数の減少に転じており、発生確率の5%という閾値は実験船には当てはまらないことを示した。気象海象の推定については、荒天航海のより多くのケース(8ケース)について推定精度の検証を行い、風について気象機関ごとに公表する客観解析データとの誤差量を比較した。この結果、米国の気象機関NCEPが公表するデータが風速12m/s以上の場合は最も再現精度が良好であった。波浪については、風の再現精度にほぼ対応しているが、データベースまたは計算手法による誤差よりもケースごとにおける誤差(海域や気象条件)の方が大きく作用することも明らかとなった。この両者を踏まえ、等時間曲線法によるウェザールーティングモデルの精度向上を図ること、液体貨物の輸送時に発生するスロッシング影響を考慮した安全評価を組み込む部分については、本課題の終了後も継続して実施、完成させることとしている。
平成30年度が最終年度であるため、記入しない。
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