研究課題/領域番号 |
16H03139
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研究機関 | 東洋大学 |
研究代表者 |
及川 康 東洋大学, 理工学部, 准教授 (70334696)
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研究分担者 |
片田 敏孝 東京大学, 大学院情報学環・学際情報学府, 特任教授 (20233744)
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研究期間 (年度) |
2016-04-01 – 2019-03-31
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キーワード | 減災 / 自然災害 / 避難行動 / リスクコミュニケーション / 災害情報 |
研究実績の概要 |
本研究の目的は、リスク・コミュニケーション・ギャップ解消のための災害情報の提供は如何にあるべきかについての実践的な提言を行うことを目的としている。その検討に際しては、「課題1:タイ・カンチャナブリにおける地震・ダム・洪水を巡るリスク・コミュニケーションの実践」および「課題2:避難勧告等の見直しに関する検討」などを介して検討を行うこととしている。 課題1に関しては、2017年度までの検証にて地域をタイ・カンチャナブリに限定することの是非、また、対象を地震・ダム・洪水に限定することの是非について、検討対象地域の実状などを考慮しつつ再検討を行った結果、そこまで狭隘に限定せずより広範に汎用的な検討とすることがより有益であるとの考えに至った。リスク・コミュニケーション・ギャップの問題の本質を捉えるべく、本年度においては、防災先進国として位置づけられるキューバの実状を把握することを介して、防災行政と住民との間のリスク・コミュニケーションの在り方について検証を行う予定である。この検証は、当初予定のタイでの検討や地震・ダム・洪水の検討を包含するだけでなく、より汎用的な結論が得られることが期待される。 課題2に関しては、2017年度内に「心理実験装置の開発(災害情報に対する住民の反応や受容の傾向を把握するための実験装置)」を構築し、それを用いたWEBアンケート調査を実施した。2018年度においては、このデータについて統計解析等による詳細な分析を行う。必要に応じて、パラメータを変更した追加調査の実施も視野に入れて検討を行う。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
研究実績の概要でも触れたとおり、とりわけ課題1に関しては、2017年度に行ったタイ国カンチャナブリ市における現地での調整において、当初計画とは異なる状況も幾つか存在したため、リスク・コミュニケーション・ギャップの問題の本質をより包括的に捉えるべく、2018年度においては防災先進国として位置づけられるキューバの実状を把握することを介して、防災行政と住民との間のリスク・コミュニケーションの在り方について検証を行う予定である。課題2に関しては順調に進んでいると考えている。
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今後の研究の推進方策 |
前述の通り、課題1に関しては、リスク・コミュニケーション・ギャップの問題の本質をより包括的に捉えるべく、防災先進国として位置づけられるキューバの実状を把握することを介して、防災行政と住民との間のリスク・コミュニケーションの在り方について検証を行う予定である。課題2に関しては、既に構築した心理実験装置を用いて収集されたデータに関してより詳細な分析を施すこと、さらには、必要に応じてパラメータを変更した追加調査の実施も視野に入れて検討を行う。
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