研究課題
本研究では,必要な時に必要な個所の挙動が直ちに得られるよう,地盤(地球表面)変位を時間的にも空間的にも連続的に変位監視できるモニタリング手法の研究開発を行った.この方法の基幹技術はGPSおよびDInSARの宇宙技術である.さらに,国内のみならず海外の多くの大学や研究機関と連携して本方法の実用化研究を実施した.まず,GPSについて筆者はすでに高精度計測が可能な手法の標準化を行い国際学会から推奨法として認証されている.本研究ではさらに低コストセンサーの有効性を現場で検証し,高機能センサーと比べて精度が多少劣っても連続計測により従来の高精度計測法とそん色ない結果が得られること,数Hz程度の動的計測が可能なことを明らかにした.以上の成果に基づきGPSで動的には0.2秒,静的には15分程度の周期で連続的に変位を計測できる技術が確立された.DInSARについては,標準的な方法はおおむね確立されていると考えられているが,工学上の実務課題への適用においては,計測精度改善と対象現場毎の最適化がなお課題である.前者については継続的に改変される地表面の変位を高精度に計測する方法を,後者については,小規模急傾斜斜面(日本,クロアチア),大規模地すべり(スロベニア,ブルガリア等),広域地盤沈下(インドネシア,ボスニア・ヘルツェゴビナ等),火山活動による地盤変動(日本)などについて, DInSARの時系列解析の最適化を図りそれぞれ妥当性を検証した.以上の成果に基づき,DInSARが工学的に実務に適用することが可能となった.ただし,植生等地表環境の悪条件下の計測,突発的大変位計測など,なお限界がありその解決は課題である.本研究成果のGPS,DInSAR法に加えて,従来の地盤計測機器をオンサイトとリモートで用いることによって,研究課題である「地盤変位の時空間連続計測」は実現可能な技術となった.
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